甘いものには近づかない
『あまくない砂糖の話』というオーストラリアのドキュメンタリー映画を見ました。
人は1日平均ティースプーン40杯分もの砂糖を摂っていることを知り、一日40杯の砂糖を2ヶ月間摂取し続けたらどうなるか――を監督自らが実験した映画です。
砂糖は、サトウキビやサトウダイコンからファイバー、ビタミン、ミネラルを取り除いたショ糖のことで、純度100%の化学物質です。
つまり、栄養は空っぽ。
そして、ほかの糖質と同じように食べると急激に血糖を上げるほか、脳への影響や強い依存性を持っています。
ケーキなどのスイーツは、和洋問わず砂糖の塊です。
そうした甘いものは緊急のエネルギーとして重宝します。
しかしそれを我慢できない人が増えています。
高齢であれば、認知症にもつながります。
こうした病気が見つかれば、薬に頼ろうとしますが、ベースにあるのは砂糖中毒だということを忘れないでください。
町医者とし、甘いものをやめただけで病気が良くなった人をたくさん診てきました。
疲れているときには甘いものが効く、と言う人がいます。
たしかにそうです。
しかし、脳の栄養源はブドウ糖しかないと思っている人もいますが、そうではありません。
ブドウ糖が切れたら、「ケトン体」というものを使うようになります。
だから、糖質が不足すると頭が働かなくなるというわけではありません。
確かに砂糖は即効性のあるエネルギー源なので、「さあ、やるぞ!」というときにチョコレートを一粒食べることはいいでしょう。
でも、あくまでも砂糖は珍味であると考えたほうがいい人が増えています。
毎日、あるいは一日中食べていると、確実に病気になります。
砂糖中毒が増えている今の日本では、全国民がそれに気づくだけで医療費を3分の1くらいに減らすことができるでしょう。
それほど、砂糖中毒は深刻です。
ネット依存、スマホ依存、ギャンブル依存、アルコール依存……。
現代は、依存症であふれています。
これらはすべて脳内で「ドーパミン」という快楽物質が放出されるという共通点があります。
人間も動物も快楽には弱いため、何度か快楽を味わってしまうと、またその刺激が欲しくなり、いつしか「刺激→快楽という報酬→また刺激を欲する」という報酬系の回路ができあがってしまうのです。
これが依存症の正体です。
食べ物のなかで、依存症と聞いて真っ先に思い浮かべるのはアルコールかもしれません。
ただ、最近はアルコールを飲む人が減ってきていますし、もともと日本人は体質的にアルコールをあまり飲めません。
ですから、アルコール依存以上に深刻で、圧倒的に数が多いのが砂糖中毒(砂糖依存)なのです。
よく生活習慣病の原因として挙げられる塩もお酒も、「摂りすぎ」「飲みすぎ」が悪いのであって、適量であればもちろんプラスになります。
むしろ塩はある程度は必要です。
ところが砂糖は、なくても困らないもの、もっと言えば嗜好品。
それなのに、中毒が増えてしまっているのが現状なのです。
スイーツと上手につきあってきた人が、90歳まで医者いらずできた人だと経験的に思います。
「90歳まで元気で生きる人の7つの習慣 より」
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血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。
これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。
たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。
動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。
各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12の働き
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