どうしたら、入眠時までにたっぷりと「メラトニン」をつくることができるのでしょうか。
古代中国の医学概念に「陰陽学」がありますが、まさにこの概念にぴったりなのが、セロトニンとメラトニンの関係です。
「陽」→昼間の覚醒を演出するセロトニン
「陰」→夜の睡眠を演出するメラトニン
陰陽学では、相対立する二つの要素が相互につながっているとされますが、メラトニンとセロトニンの関係もまさにそうで、古代中国の医学概念が現代医学で裏づけられているというわけです。
もう少し詳しく説明しましょう。
脳内でセロトニンをつくる神経は、脳幹にある「セロトニン神経」です。
じつは、「松果体」もセロトニンをつくることができますが、松果体は、セロトニン神経のように情報伝達の働きはありません。
松果体にはセロトニンをメラトニンに変換する酵素が備わっているのです。
ただし、この酵素は、昼間、太陽が出ている(網膜に太陽光が当たっている)時間帯には、働かないように制御されています。
太陽が沈んで、網膜に太陽光が当たらなくなり、そのブロックが外れると、メラトニンの合成・分泌が開始されます。
すなわち、夜にしかメラトニンはつくられないので。
ここで注目すべき点は、メラトニンの材料がセロトニンだということです。
夕方以降にメラトニンがたっぷりと合成・分泌されるには、日没までにその材料のセロトニンもたっぷりと合成・分泌されている必要があります。
すなわち、セロトニンを増やす生活がなされていなければなりません。
「医者が教える疲れない人の脳 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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