<第2章>病原菌に打ち勝つ「ファイトケミカル」
《ファイトケミカルは、植物由来の化学成分》
ファイトケミカルとは、植物に含まれる天然の機能性成分のことです。
野菜や果物の皮やアクに多く含まれ、動くことのできない植物が自分の身を守るための手段であると考えられています。
近年の研究では、1万種以上もの成分が存在し、私たちが普段食べている野菜や果物の多くにそれは含まれているのです。
代表的な成分としては、まず、チョコレートや緑茶に含まれる「ポリフェノール」があります。
これは、強力な抗酸化力を持っていて、眼精疲労や生活習慣病の予防に効果があります。
2つ目は「イオウ化合物」です。
ニンニクやわさびに含まれ、血流を促したり、血液をサラサラにして動脈硬化を予防ます。
3つ目はしいたけや海藻に含まれる「糖関連物質」。
抗酸化作用が強く、こちらも生活習慣病の予防に役立ちます。
4つ目はにんじんやほうれん草に含まれる「カロテノイド」。
免疫細胞を刺激、活性化させて、免疫力をアップします。
これらの食品を食べるときに気をつけたいのは、野菜や果物を、皮ごと、かつアクの処理などをせずにまるごと食べることです。
例えば、ごぼうは水にさらしてアクを抜くと、有効成分が流出してしまいます。
少し食べにくいものもありますが、せっかくの有効成分ですので、工夫してぜひ食べるようにしてください。
主なファイトケミカル
チョコレートに含まれる
カカオポリフェノール
お茶に含まれる
・イオウ化合物
ニンニクに含まれる
アリシン
ブロッコリーに含まれる
スルフォラファン
・糖関連物質
しいたけに含まれる
βグルカン
海藻に含まれる
フコイダン
・カロテノイド
にんじんに含まれる
βカロテン
ほうれん草に含まれる
「免疫力の話 より」
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?
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