第1章 「糖分を摂らないと脳が働かなくなる」は“ウソ”
第1章 「糖分を摂らないと脳が働かなくなる」は“ウソ”
脳のエネルギーは糖質だけではない
「頭を働かせるためには糖分が必要だ」と考え、甘いものを食べている人がよくいますが、それは間違いです。
確かに脳だけでなく身体のエネルギーとなるのはブドウ糖です。
しかし、人間にはブドウ糖が不足すると脂肪をエネルギーとして使う機能が備わっていて、その際にできる“ケトン体”という物質も脳のエネルギーとして利用できるのです。
つまり、ブドウ糖とケトン体という2つのエネルギー源がある以上、脳の栄養が枯渇することは普通に生きている限りありません。
人間にとって糖質は貴重な栄養素なので、食べると幸せを感じるメカニズムになっていますが、ここで欲求を満たすために甘いものを食べたり飲んだりしたらかえって糖質過多で血糖値が上下して頭の働きが悪くなったりすることもあり、逆にパフォーマンスを落としかねません。
甘いものを食べると頭がスッキリしたと感じる人もいるかもしれませんが、それは急激に血糖値が上がってドーパミンやセロトニンが分泌され。“ハイ”な状態になっているだけ。
その後にすぐ低血糖に陥り、また甘いものが欲しくなる負のスパイラルに陥る可能性があります。
とくに血糖値が短時間で上がりやすい液体の糖質には要注意。
安易に甘いものを摂らず、血糖値を正常に保つように心がけてください。
ブドウ糖が足りなくなるとケトン体ができる
◆ブドウ糖
ブドウ糖が足りなくなっても……
◆ケトン体
脂肪からケトン体が生まれて脳に働く
ブドウ糖だけでなく、脂肪が分解されるときにできるケトン体も脳のエネルギーに。
脳の栄養が枯渇することはまずありません。
血糖値の上下が激しい人と平均している人の違い
血糖値が激しく上下するより、血糖値を一定に保つほうが脳のパフォーマンスは高くなります。
「糖質の話 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12について?