「ありがとう」を言葉に出す
「生かされている」ということに感謝するのはもとより、自分を支えてくれている人に「ありがとう」ということを、決しておろそかにしてはいけません。
家庭のある男性の場合、奥さんが家事をしてくれることが多いかもしれません。
ごはんを作ってくれたら「ありがとう」、シャツを選択してくれたら「ありがとう」、育児がんばってくれていたら「ありがとう」、すべて言葉に出すのです。
結婚したてで、まだ自律神経の研究を始めていないころは、心ない言い方によってお互いの自律神経を乱していたと反省しています。
たとえば、妻が料理を作ってくれても特に感謝やお礼も言わず、私は食後にテレビを見るのが日課でした。
妻も仕事でクタクタなのに、料理を作り、そして休むことなく洗いものをしている。
ところが私はと言うと、食べっぱなしで、一生懸命家事をする妻を横目にテレビを見ている。
妻は当然、機嫌が悪くなります。
妻が、「ちょっとは手伝ってよ」などと言っても、「もうすぐやるよ」と言って逃げていました。
夫婦の間では、よくあるやりとりかもしれませんが、自律神経の研究を重ねた今となっては、非常によくないやりとりだったと反省しています。
こんなやりとりでは、お互いの気分が悪くなるのは当然です。
愚痴を言った妻も、カチンときて言い返した私も、その瞬間、自律神経が一気に乱れてしまいます。
そして、その乱れを引きずったまま就寝を迎え、深い眠りに就けず、体調を崩すことにつながります。
場合によっては、離婚に至るケースもあるかもしれません。
しかし、今の私は違います。
家事をしてくれる妻には、「ありがとう」を伝え、何かを求められたときには、即座に応じています。
テレビなんて、録画しておいて後で見ればいいのです。
こうすることで、お互いの自律神経は整い、夫婦円満にもひと役買います。
空を見る
忙しい日々においては、なかなか、天気のよさや頬をかすめる風の心地よさ、道端に咲いている花の香りや色彩を意識することはありません。
しかし、こうしたものに意識を向けると、「風が気持ちいいな」「こんなところに花が咲いていたのか」など、自然を感じることができます。
視覚、聴覚、嗅覚を意識すると副交感神経がぐっと上がり、自律神経のバランスが整います。
これだけで血流はどんどんよくなり、いつなん時でも正しい言い方ができるようになります。
空を見るタイミングとしては、通勤中や外回り中など、歩きながらが多くなると思います。
実は、歩き方も自律神経に大きく影響を与えます。
歩き方を見ると、その人の自律神経のバランスがわかると言っても過言ではありません。
ダメな歩き方は、うつむいて、背中を丸めて歩くこと。
こうすると、気道が狭まり、呼吸が浅くなり、血流も滞って、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
正しい歩き方は、背筋を伸ばして、肩の力を抜き、頭の中心が空から引っ張られているようなイメージで首を伸ばし、おへそから前に出るつもりで、ゆっくり歩くこと。
そうすれば、気道がまっすぐになり、呼吸も自然と深くなり、気持ちが落ち着いて、自律神経のバランスも整ってきます。
「自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
ビタミンB12について?