あいさつは、ゆっくり元気に
あいさつはコミュニケーションの基本ですが、自律神経を整えるうえでも重要な要素です。
たとえば、「おはよう、ございます……」と、「ボソボソ小声で言った場合、気道が狭まっているので血流が低下し、自律神経のバランスが崩れます。
それによって、さらに正しい言い方ができなくなるという、負のスパイラルに陥ります。
正しい言い方は、「おはようございます!」と、一語一語をしっかりの発音し、ゆっくり、尻上がりを意識したイントネーションで言ことです。
ゆっくりした言い方をすることで、呼吸が安定しますし、末尾のトーンを上げることで、ハツラツとした印象を与えることができます。
すると、自分はもちろん、周りの人間の自律神経も整えることができるのです。
悩みごとや辛いことがあると、あいさつする気が起きないこともあるかもしれません。
しかし、あいさつもせずに暗くなっているより、無理にでもあいさつをしたほうが、長い目で見ると確実に得です。
気分が乗る、乗らないではなく、いっそのこと義務として考えて実行してしまいましょう。
こまめに水を飲む
緊張した時に水を飲むというのは、みなさんも理屈なく、実践されていることだと思います。
これは、医学的にも非常に有効な行為です。
水を飲むと胃腸の神経がいい意味で刺激され、自律神経のバランスが整うからです。
体に水が不足して、いいことは何ひとつありません。
人間の体の60%は水でできており、そのうち75%が細胞の中に、残りの25%は血液やリンパ液に入っています。
1日2リットルの水分が汗や尿として排出されるので、こまめに補給しないと血液がドロドロになり、自律神経が乱れてしまいます。
ですから、仕事中もこまめに水を飲むことが大事。
ペットボトルをデスクに常備して、1日1~2リットルの水をこまめに飲むようにしましょう。
ため息をつく
悩みごとやトラブルを抱えていると、つい「はぁ……」とため息がもれてしまいます。
どうぞ存分に、ため息をついてください。
「ため息をつくと幸せが逃げる」といわれていますが、医学的観点からみると、まったく逆です。
息は吐く時間が長ければ長いほど、より効果的に副交感神経の働きを高めることができるので、ため息は体にとって望ましいものです。
深呼吸をして心が落ち着くのと同じメカニズムです。
それではなぜ、「ため息をつくと幸せが逃げる」といわれているのでしょうか?
人間は思い詰めると呼吸が止まりがちになり、息苦しくなります。
すると体は酸素を欲して、深く呼吸をしようとします。
それが、ため息の正体です。
思い詰めて呼吸が浅くなった時にため息が出るため、「ため息=幸せが逃げる」と同一視されるようになりましたが、ため息は不幸だから出るのであって、ため息をついたら不幸になるわけではないのです。
ため息は、人間の本能的なリカバリーショットなのです。
「自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
ビタミンB12について?