1か所だけ片づける
1日の仕事を終えたら、一刻も早く会社を出たいかも知りませんが、帰る前にぜひ実践していただきたいことがあります。
それは、「1か所だけ片づける」ということです。
仕事を終えた時、私たちの交感神経は高まっています。
本来であれば、夕方から夜にかけて、副交感神経が優位に切り替わっていくのですが、男性は30歳、女性は40歳を境に副交感神経の働きがガクンと落ちてしまいます。
そのため、放っておくと交感神経が優位のまま夜を迎えてしまい、翌朝になっても疲れが取れず、疲労が蓄積していくという悪循環に陥ってしまいます。
そこで役に立つのが、仕事を終えて退社する前に、1か所だけ片づけるということです。
実は、片づけという行為には、副交感神経を高め、気持ちを落ち着かせる作用があるのです。
片づける際は、引き出しの一番上やデスクの上の書類など、「1か所」だけというのがポイントです。
この時、せっかくだから全部きれいにしようと思って、あちこち手を出すと、その瞬間、交感神経が高まり自律神経が乱れてしまいます。
自律神経を整えるためには、毎日少しだけ片づけることが有効です。
そして、もうひとつおすすめしたいのが、明日の予定を確認しておくことです。
朝、仕事を始める前に1日の予定やタスクを書き出す人も多いと思いますが、朝は、脳が冴えていて生産性が高いゴールデンタイムです。
その貴重な時間を、予定の確認に使うのは非常にもったいないことです。
手帳に書きこむ項目には、番号をふるのがポイントです。
これは、外国のカルテの書き方にならった方法なのですが、外国のカルテは、「セブンライン」といって、患者さんについて重要なことを必ず7個書きこみ、そこに番号をふっていきます。
番号は、重要度が高い順にふる必要はありません。
ただ、番号をふるだけでいいのです。
そうすることによって、ただ7項目羅列するよりも、内容が頭の中で整理され、頭にストンと入ってきます。
イギリスに留学していた時にこの方法を学びましたが、効果は素晴らしいものだと実感しています。
きちんと時間管理をすることは、自律神経を整えるうえでも重要です。
予定が狂い、あせったり動揺したりすると、その瞬間、自律神経は大きく乱れてしまうからです。
書き出す項目は、7個でなくても構いません。
翌日の案件やタスクに番号をふるだけでOKです。
こうするだけで、時間の無駄遣いが減り、仕事もはかどり、心に余裕が生まれるので自律神経も安定するという、好循環が手に入ります。
「自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
ビタミンB12について?