第2章 お腹を半円状になでる
第2章 お腹を半円状になでる
腸は第二の脳。腸内環境を良くする
コロナ禍の影響もあり、慢性的な便秘や下痢で悩む人が増加しています。
腸は栄養素や水分を吸収する臓器で、そのまわりには太い血管が通っています。
腸が不調になれば、有害物質が発生し、それが血管に流れ込みます。
腸の不調は、自律神経を通じて血管にも悪影響を与えます。
また、腸は脳と直接、連絡を取り合っていて、「第二の脳」とも呼ばれます。
精神的に不安定なときにトイレに行きたくなるのは、人間だけでなく、動物にもみられる行動です。
逆に、順調なお通じがあれば気分が良いのも、動物に共通でしょう。
食事をしたものは胃で消化され、主に小腸で吸収されます。
胃と小腸に食べ物が滞留する時間は、それぞれ2時間程度ですが、大腸には2~3日留まります。
その間に水分を吸収し、便をつくるのです。
大腸を早く通り過ぎれば水分の多い下痢になり、長すぎると便が硬くなって便秘がちになります。
理想的な便は、バナナのような形と形容されます。
大腸の腸内環境が適切なら、気持ちいい便がつくられます。
腸内環境を左右するのが、腸内細菌です。
大腸には100~200種類、100兆個もの腸内細菌が住んでいます。
腸内細菌は、「善玉菌」「悪玉菌」、状況によってどちらかの味方につく「日和見菌」の3種類に分けられます。
善玉菌が多いほうがいいように感じますが、2:1:7の比率がベストと考えられています。
即効性のある大腸マッサージ
便秘解消のためにできる生活習慣が、大腸マッサージです。
小腸と大腸は右の下腹部あたりでつながっています。
小腸から流れ込んできた食べものは、右の脇腹を真上に上ってきます。
そして、90度に曲がって臍(へそ)の下を通り、再び90度曲がって左の脇腹を降りていきます。
便秘のときは、このルートのどこかで渋滞が起きていると考えられます。
したがって、このルートをなぞるように右下腹部から、ぐるりと半円を描くようになでてやると、便通が良くなります。
また、小腸とのつながる部分と大腸が直角に曲がる2ヵ所が渋滞ポイントと考えられます。
このポイントを指で軽く揉むのも効果的です。
大腸マッサージは即効性がありますので、朝、起きて実践すると、朝食が終わるころにトイレに行きたくなります。
「血管が強くなる習慣 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?