第2章 たった5秒で終わる、舌のブラッシング
第2章 たった5秒で終わる、舌のブラッシング
口の中で一番細菌がいるところ
口の中に悪玉の細菌が住んでいることは解説しました。
では、口の中のどこに細菌が多と思いますか?
答えは舌の上です。
口内細菌の7割近くが舌にへばりついていると考えられています。
普段はほとんど意識しませんが、舌の表面には「舌(ぜつ)乳頭」という突起が無数にあって、凸凹しているのです。
この凸凹に細菌がべっとりと付着しているわけです。
したがって、歯を磨いただけでは、悪い菌は退治できません。
舌を掃除する専用の舌ブラシを使ってお手入れすることをおすすめします。
効果的な「舌のブラッシング」のやり方
舌のブラッシングは、朝の歯磨きと一緒にするのがいいでしょう。
洗面所の鏡の前に立ったら、まず軽く口をゆすぎます。
次に、鏡に向かって舌を出してみましょう。
舌の表面が白っぽく見えませんか?
それが「舌苔(ぜつたい)」と呼ばれるもので、基本的には上皮から剝がれた垢です。
そこが細菌の温床になりやすいのです。
また、舌苔は口臭の原因でもあります。
ここで舌ブラシを取り出します。
最近はドラッグストアでの品ぞろえが良くなりました。
気に入ったものを買って使ってみてください。
舌苔は舌の奥にも付着していますが、ブラシを奥まで挿入すると咳き込んでしまいます。
なるべく舌を前に突き出しましょう。
そして、奥から手前に4、5回優しくブラッシングします。
舌表面中央部を奥から舌先に向かってブラッシングするのがコツです。
なお、舌の表面は粘膜ですから、強くこすってはいけません。
軽くこするだけで舌苔はきれいに取れます。
舌苔が落ちて舌が薄いピンク色になるのが目安です。
これでブラッシングは終了です。
はじめは時間がかかるかもしれませんが、毎日繰り返すと時間も短くなります。
なお、コロナウイルスも舌に付着することがわかっています。
コロナ感染予防にも舌のブラッシングは有効です。
舌を鍛えて口呼吸も防ぐトレーニング―舌回し運動
舌を出したらついでに、舌の運動をしましょう。
「舌回し運動」と呼ばれています。
口を閉じて、外側の歯茎、頬の内側を舌でなぞるようにします。
5回から始めて20回を目標にしてください。
逆回りもしてください。
舌は筋肉の塊です。
舌の筋肉が衰えると、嚥下が弱くなったり、口が半開きになったりします。
睡眠中に口が開いてしまう原因の多くは、舌の力が弱っているからです。
「血管が強くなる習慣 より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?