第3章 サバ缶を常備する
イヌイットに血管の病気が少ない理由
タンパク質といえば、魚についても触れておかなければいけません。
1970代、グリーンランドに住むイヌイットたちの健康についての研究が行なわれました。
氷雪地帯に住み、ほとんど野菜を食べないのに、心筋梗塞などの血管系の病気がとても少なかったからです。
調べてみると、イヌイットの血液には、ある脂質が際立って多いことがわかりました。
そして、その脂質が、彼らが常食している魚やアザラシの肉に由来していることも判明しました。
その血管を健康にする脂質こそ、今、サプリとして人気の「EPA」「DHA」だったのです。
主にイワシ、サバ、サンマなどの背中が青い、青魚と呼ばれる魚に多いことがわかっています。
かつて青魚は大衆魚と呼ばれ、値段も安く日常的に食卓に上っていました。
ところが、西洋風の食生活が一般的になるにしたがって、頻度が減少してしまいました。
若い人たちのなかには、「魚を食べるのが面倒だ」と思っている人も多いようです。
それに加えて、不漁などの影響で値段が上がったことも、魚離れを招いて今いました。
いろいろなメニューでサバ缶を味わう
そこに救世主的に現れたのが、サバ缶です。
手軽に使えることが受けたのか、突然、ブームになりました。
ネットで検索すると、さまざまなレシピが紹介されています。
シンプルなものでは、白菜やキャベツとの煮物、凝ったものではサンドイッチやカレーにアレンジされたものもあります。
ぜひ常備して、いろいろな料理で楽しんでください。
また、魚ではありませんが、エゴマ油やアマニ油など、植物由来のオイルも、オメガ3系不飽和脂肪酸です。
寝る前にスプーンで口に入れるといいでしょう。
「血管が強くなる習慣 より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。
ビタミンB12について?