慢性疲労は、脳からの危険信号!

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慢性疲労は、脳からの危険信号!
最近になって疲労のメカニズムの研究が進み、さまざまなことが明らかになってきた。
実は慢性疲労は、ストレスや感染症などがきっかけとなって、脳内に異常が発生している状態らしい。

≪増えつづける慢性疲労を訴える人≫
疲労は、発熱、痛みとともに体の3大アラーム(警告)の一つといわれている。
「疲れた」と感じるのは、体からの“休め”という合図であって、そのまま休まないと最後には死んでしまうこともある。
子供や動物をみていると、疲れるとその場で、ぱたっと寝てしまうのは、体のアラームにさからわずに休息をとるからだ。
しかしヒトは成長とともに、休んでいるひまはない、と「考えて」しまうので、疲れたと感じている時間が長くなってしまう。

最近、疲れを訴える人がふえてきている。
文部科学省疲労研究班の調査(2004年)によると、15歳から65歳までの回答者の約6割が、今疲れを感じていると答えている。
しかもその中の6割の人が、6ヶ月以上疲れがつづく慢性疲労の状態であるという。
つまり、休んでも疲れがとれないと多くの人が思っているのだ。しかもそれは、大人だけではないらしい。
疲労のメカニズムについて研究を行っている大阪市立大学大学院医学研究科の渡辺恭良教授は「子供にも慢性疲労がふえてきている傾向があり、不登校の原因にもなっているようです」と語る。
慢性疲労といってもあなどってはいけない。そのうち、約50%の人が日常生活に支障がでるほどの疲労を感じているのだ。

≪慢性疲労の人はすぐに作業効率がおちる≫
実際にATMT法(作業の反応時間がどれだけ遅くなるかを調べるもの。液晶画面にちらばって動いている数字を1~25まで順に押していく)やアクティグラフ(腕時計のように腕に測定器をつけて1日の行動量をはかる方法。とても感度のよい万歩計)で慢性疲労を訴える人とそうでない健常な人の疲労度を測定するとATMT法を行うと健常な人でも作業が進むにつれて、反応速度は遅くなっていくが、慢性疲労を感じている人のほうが、より急激に速度が落ちることがわかった。
アクティグラフの結果をみると、健常人は睡眠時間以外の時間を活発に行動しているが、慢性疲労の人は休み休み動いていることがわかった。

しかも慢性疲労の人はたとえ多くの睡眠をとったとしても、疲れがとれない状態がつづく。
このように疲労は、休めば治る健康的な疲労と、休んでも治らない健康的でない疲労に分けられる。
休んでも治らない疲労というものは、何によってつくりだされているのだろうか。

強制的に運動させて疲れさせたラットの脳脊髄液を取りだして、健康なマウスの脳室に注射する。
すると、元気だったはずのマウスの行動量が減少し、「疲れた」状態になることがわかった。
つまり疲れたラットの脳脊髄液中にある何かが、運動していないマウスに疲労をもたらしたのだ。
その後の実験によって、この疲労をもたらす物質は「TGF-β」という免疫物質が候補であることがわかった。

私たちヒトでも運動を行ったときに、TGF-βがふえ、運動を止めて安静にしていると、TGF-βの生産は自然に減少し、それとともに疲労も回復する。
しかし、慢性疲労を感じている人は、運動をしたわけでもないのにTGF-βが多く、たとえ安静にしていてもTGF-βは減少しないという。
つまり、疲労がたまっているときは、TGF-βが生産されつづけている状態だと考えられている。

疲労の原因は免疫の異常反応だった≫
TGF-βは、ウイルスや細菌などが体内に侵入してきた際に、脳から免疫細胞に「異物を攻撃せよ」という命令を伝える免疫物質である。
免疫と疲労には、実は大きなつながりがある。

慢性疲労の中でも、原因不明でとくに重篤なものに「慢性疲労症候群」がある。
ひどくなると日常生活も行えなくなり、はしをもつのもむずかしいほどの疲労感に悩まされる。

この慢性疲労症候群が調査されるにつれて、TGF-βと慢性疲労の関係が明らかになってきた。
大きな要因は「感染症」と「生活ストレス」である。

私たちが悩みごとなどストレスを抱えていると、免疫細胞のはたらきが低下することが知られている。
その状態でウイルスに感染すると、免疫細胞がウイルスの勢いをとめきれない。
するとTGF-βが免疫細胞からどんどん放出され、脳の中のグルタミン酸やGABAなどの神経間の情報を伝える物質の合成を低下させてしまう。それらの減少によって、脳内の情報がうまく伝わらなくなり、体のだるさや集中力の低下などの症状として、あらわれてくるのだ。

慢性疲労がつづくと、脳内の変化は神経伝達物質の低下だけにとどまらない。
慢性疲労症候群の患者は、脳の「前頭前野」という場所が萎縮していることがわかっている。
つまり神経細胞が少なくなっている可能性があるのだ。
この脳の部分はとくに「意欲、計画、創造性」などをつかさどる場所である。
このような脳のはたらきが弱まった結果が、慢性的な疲労疲労感としてあらわれてしまう。

つまり、慢性疲労は、免疫系が変調し、脳内に異常が発生している、という危険信号であるのだ。

≪慢性疲労をひきずらないためには≫
一つは、セロトニンの過剰な回収を防ぐ「SSRI」(うつ病の治療に使われている)という薬を使う方法である。
これらは、慢性疲労症候群の約4割の人に効果があらわれるという。
もう一つは、免疫力を向上させるような漢方薬、ビタミンなどを処方する治療である。これらも即効性はみられないが、かなりの人に効果がみられる。

慢性疲労症候群の患者の多くは、急に強い疲労感が襲ってきたと話すという。
日ごろたまったストレスとインフルエンザなどの感染症をきっかけに、ある日突然、発症するかもしれません。

渡辺教授は「患者さんが疲労感、微熱、筋肉痛などの症状で病院を訪れても、原因が不明であると『過労ですよ、休んでいれば治るでしょう』といわれて、疲労感を引きずったまま過ごしている人が多くいるように思います。そのような方は、疲労を診察している大学病院などに足を運んでみたらいかがでしょうか」と語る。「ニュートン より」

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