身近に脳に効果があるものがある

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身近に脳に効果があるものがある
 
私たちが身近に食べたり飲んだりしているものでも、一時的に脳の働きに効果があるものがあります。
 
コーヒーは眠気が覚めて一時的に頭をはっきりさせる覚醒作用があります。
それはカフェインの効果です。
カフェインは脳内のアデノシン受容体に結合します。アデノシンは沈静作用を促すのですが、カフェインが受容体に結合してしまうので、アデノシン本来の働きができなくなり、興奮状態が続くことになります。
 
ただし、カフェインの健全なところは、正常な興奮状態以上に上げることはないので、覚醒剤のようにドーパミン神経に作用して幻覚、妄想を起こすといった暴走を招くことはありません。
 
またチョコレートなど甘いものを食べると、一時的に脳が働きます。
お米やパンなど炭水化物を食べても、それを消化して糖分として脳に入るためには時間がかかりますが、チョコレートなどは、すぐに脳に栄養として運ばれるので、疲れているときには即効性があるのです。
ただし、その効果は短時間しか持続しませんが。
 
ニコチンについては、アセチルコリンの代わりの働きをして一時的には集中力を増す働きをします。
しかし、タバコを吸っていると、吸っていない状態では、アセチルコリンの働きが悪くなってぼんやりするなど、かえって頭の働きが悪くなります。
ですから、ニコチンが切れた状態では、頭が働かないことになってしまいます。
 
魚を食べると頭がよくなるなどといわれますが、それは魚の脂肪に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)がいいからというのですが、それは次のような理由からです。
 
魚の脂肪に含まれるDHAやEPA(エイコサペンタエン酸)の効果は、血液をさらさらにして、血管を詰まりにくくします。
ですから、心筋梗塞脳梗塞の危険性が低くなるということです。
 
同じように脂肪をとっても、飽和脂肪酸である肉の脂は血液凝固を促す作用がありますが、魚の脂(不飽和脂肪酸)のDHAやEPAは血液凝固を阻止する経路を働かせます。
 
DHAやEPAが直接頭をよくするわけではありません。
ただし、魚をたくさん食べていれば、血管障害の危険が低くなるので、当然脳への血流もいい状態で維持できます。
結果的には認知症の危険性も低くなります。
 
また、活性酸素は体の細胞を傷つけるだけでなく、脳の老人斑のもとになり、ボケを促進させます。
ですから、活性酸素の働きを抑えるものを摂取するのが、脳にも体にもいいのです。
 
活性酸素の働きを抑える働きがあるのは、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどです。
これらビタミンは野菜を豊富に食べてバランスのいい食事をしていれば、必要量はまかなえるものです。
 
       コーヒーは、正常な範囲で一時的な覚醒作用があるので頭をはっきりさせる
       チョコレートなど甘いものはすぐに栄養として脳に運ばれるので、疲れているときには即効性がある
       魚を食べると、血管障害の危険性が減る
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
ビタミンB12とは…?
 
ビタミンB12の研究初期は、ビタミンB12といえば悪性貧血、悪性貧血といえばビタミンB12といわれました。
しかし、現在のビタミンB12は、神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調 ―手足の痺れ・麻痺・痛みなど― はもちろん、中枢神経 ―脳・脊髄― の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
ビタミンB12について