抗酸化物質が脳を守る

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抗酸化物質が脳を守る
 
活性酸素が脳と身体に有害なことは確かですが、その発生を完全に防ぐ手立てがあるかというと、「ない」です。
なぜかというと、食物を酸化するのに酸素が利用されますが、その2パーセントが活性酸素に変換されるからです。
要するに、人が生きている限り、活性酸素が発生することになります。
脳は人体の20パーセントもの酸素を消費するので、年間400グラムもの活性酸素を発生させています。
 
それでも、脳を活性酸素から守ることはできます。
抗酸化物質が活性酸素の解毒剤となるのです。
活性酸素を食物、タバコ、排気ガスなどの燃える炎から飛び出す火の粉にたとえるなら、抗酸化物質は脳を降りかかる火の粉から守る不燃性のカバーのようなものです。
その一つが脂溶性のビタミンEです。
 
脳の神経細胞の膜の主成分であるリン脂質やDHAは、とても酸化されやすいのです。
このリン脂質が活性酸素によって酸化されると、膜が硬くなり、流動性が低下します。
そうなると、シナプスを介した伝達物質の受け渡しが困難になります。
そして、伝達物質を受け取ることができなくなったシナプスは、消滅します。
こうして記憶が消えます。
さらに困ったことに、細胞膜の一箇所が活性酸素によって酸化されて、「過酸化脂質」ができると、これが引き金になって酸化の連鎖が起こるのです。
 
この酸化の連鎖反応に終止符を打つエースが、ビタミンEなのです。
脂溶性の抗酸化物質ビタミンEは、細胞膜の脂肪と並んで存在し、活性酸素がやってくるのを待っています。
そして、やってきた活性酸素に電子を与えて無毒化するのです。
 
アメリカで4809人の高齢者の血液を調べたところ、ビタミンEレベルが低いほど、記憶力が低下する傾向にあることが報告されています。
 
もう一つ、とても重要な抗酸化物質が、ビタミンCです。
22年間にわたって65歳以上を対象にしたスイスでの研究では、ビタミンCレベルが高いほど、記憶力が高いことが確認されました。
 
また、ハーバード大学ラッセル・マシュー教授は、コエンザイムQ10サプリメントで摂取することで、脳におけるエネルギー生産が進むだけでなく、脳をニューロトキシンという毒物から守れることを報告しています。
 
それから、統合失調症患者の脳内のコエンザイムQ10レベルは、健常者にくらべ、35パーセントほど低いことも明らかになっています。
「食べ物を変えれば脳が変わる より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

 イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。

ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
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