うつを予防する

イメージ 1
うつを予防する
 
最近の研究では、BDNF(脳由来神経栄養因子)と呼ばれるたんぱく質が、うつ病をはじめとしたさまざまな精神疾患に関与するものとして注目されています。
BDNFは、神経の栄養みたいなもので、新しい神経をつくったり、神経を発達・成長・増殖させたり、神経をダメージから保護したりするはたらきをもつとされています。
多くの精神疾患では脳のBDNFが減少していることが確認されており、これによって神経が十分に発達しなかったり、ダメージから保護されなくなるため、精神疾患が発症しやすくなってしまうのではないかと考えられます。
このBDNFも腸内細菌のバランスが影響していることがわかりつつあります。
 
うつ病の原因には、セロトニンの不足が挙げられます。
高齢者の場合は「喪失感」がきっかけになることが多いともいわれています。
 
脳を活性化させる食べ物を積極的に摂るようにしたり、有酸素運動をしてからだを心地よく動かしたり、ぐっすりと眠る工夫をすることなどは、症状の改善につながるだけでなく、心の元気を保ち続けるための原動力にもなります。
 
心の元気には「トリプトファン」と白味噌
 
 うつの症状にブレーキをかけるには、原因とされるセロトニンの分泌を促すのが効果的です。
セロトニンの原料はトリプトファンという必須アミノ酸で、人間の体内ではつくることができないため、食品から摂る必要があります。
 
トリプトファンがとくに多いのは、マグロの赤身やカツオ、牛肉や豚肉の赤身、牛・豚・鶏のレバーなど。
また、ヨーグルトやチーズ、納豆といった発酵食品にも豊富に含まれています。
 
さらに、トリプトファンからセロトニンをつくるには、ビタミンB6やナイアシンマグネシウムなどのミネラルが必要なので、一緒に摂るのがポイントです。
心にダメージを与えるストレスをやわらげるなら、GABA(ギャバ)です
白味噌に豊富に含まれているので、ぜひ調理に活用してください
また、青魚、鮭、ウナギなどに含まれるDHAも、先述したBDNFを増やすのに効果が期待されています。
 
以上のような食品を積極的に摂ると同時に、食事自体を楽しむことも重要です。
料理を愛で、ゆっくりと味わい、「おいしい!」と感じながら食べることが、心を豊にし、満足感を与えてくれます。
その繰り返しが、心の元気を保ついいスパイスとなります。
 
《心の元気におすすめの食材&発酵食品》
 
マグロの赤身や豚肉の赤身、牛・豚・鶏のレバー
セロトニンのもととなるトリプトファンが豊富
 
青魚、鮭、ウナギ
オメガ3系脂肪酸であるDHAが豊富で、BDNFを増やす
 
にんにくや生姜、サツマイモやバナナ
ビタミンB6が豊富
 
イワシやカツオ、鶏のささみ
 
ホタテやとうもろこし、ごぼうやほうれん草
 
ヨーグルトやチーズ、納豆
セロトニンのもととなるトリプトアファンが豊富
 
ストレスの軽減に役立つGABAが豊富
 
脳内の神経伝達物質のひとつで、脳を鎮静化する作用がある。
精神の安定に貢献するため、不足するとうつ病不眠症などを引き起こすリスクが高くなる。
 
ビタミンB6の合成、肥満の改善、不眠症の改善、鎮痛作用、うつ状態の改善など幅広いはたらきをする必須アミノ酸
「腸を元気にしたいなら発酵食を食べなさい より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
ビタミンB12は、悪性貧血のみならず神経や免疫系にも効果があることが明らかになり、高齢者のうつや認知症の予防等に利用されています。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
現在60歳以上の2割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
ビタミンB12は胃の内因子という糖たんばくと結合し吸収されますが、年齢とともに胃が小さくなったり胃の状態が悪くなったりして、内因子が
少なくなりビタミンB12の吸収が悪くなってしまうのです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
萎縮性胃炎など胃の病気などで内因子が作れない場合も吸収が困難になります。
しかし、ビタミンB12は大量に摂ることで浸透圧の原理による押し込み効果によって胃の内因子と関係なく吸収されることが分かっています。
吸収率を高めるビタミンB12摂取量の目安は1000μg(マイクログラム)以上と考えられています。
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
さらに、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
 
ちょっと使える身近な情報をお届けしています!