
ビタミンCが骨折に効く!
ビタミンCには美容や健康にいいというイメージがあります。
もちろん、それは間違いではありませんが、栄養整形医学の分野でも、ビタミンCは注目すべき栄養素なのです。
その理由は、整形外科のトラブルに大きくかかわっている骨や腱はコラーゲン線維でつくられており、そのコラーゲンの原料はたんぱく質、鉄、そしてビタミンCだからです。
多くのほ乳類は、ブドウ糖を使ってビタミンCを体内で合成することができます。
例外的につくれないのが人間とモルモットです。
合成に必要な酵素がないからです。
いずれにしても、食品から摂取する以外にないのです。
ヒタミンCが豊富な食べ物として、果物があります。
みかんなどの柑橘類はビタミンCの優れた供給源です。
甘い果物の摂りすぎは糖化を招くため厳禁ですが、果物からビタミンCを効率よく摂るためにはちょっとしたコツがあります。
みかんやグレープフルーツなどの柑橘類をどのようにして食べていますか。
きちんと皮をむいて食べているでしょうか。
今はコンビニやスーパーに、すでに皮をむいてカットしたフルーツがたくさん並んでいます。
高齢者に限らず、それを利用している人は多いのではないでしょうか。
毎日食べている果物がカットフルーツだとしたら、ビタミンCの摂取という点ではあまり効果が期待できないかもしれません。
ビタミンCは空気に触れると酸化して、どんどん効果が失われていきます。
カットフルーツに加工する段階でそんな変化が起きているのです。
同じ果物でもむきたてのものとカットされたものでは、ビタミンCの有効性は格段に違うといっていいでしょう。
ブロッコリー、ほうれん草、ピーマンなどの緑黄色野菜も、ビタミンCを多く含む食品です。
しかし、これも採れたて野菜と冷蔵庫で保存したものとでは、やはり有効性は違ってきます。
果物や緑黄色野菜を食べているから、ビタミンCの摂取は大丈夫、と考えるのは安易に過ぎます。
食べ方によっては常食していても不足することがあります。
また、ビタミンCは水溶性ですから、尿と一緒に排泄されます。
摂取後2時間程度で尿中への排泄が起こるとされています。
しかも、体内でさまざまなことに使われます。
使われたら減るのは必然です。
たくさん摂っているようで、実はあまり摂れていないのがビタミンCといえるかもしれません。
ビタミンCは骨折治療を劇的に変える可能性があると考えています。
クリニックのスタッフのお子さんのケースも、その可能性を示しています。
すると、3週間目で目ざましい回復が見られました。
通常の骨折治療よりはるかに早く、骨がくっついたのです。
「ビタミンCは骨折を早く治せるのでは?」そう思い実際の患者さんに提案しました。
その患者さんは70歳の女性で、左足の骨が3本骨折していました。
保健治療はできません。
自費になりますが、患者さんはビタミンC点滴を希望しました。
週2回を3週間、経口ではまず摂れない量を点滴します。
結果は驚きでした。
なんと3週間で骨がついたのです。
高齢者に多いのが手首の骨折です。
治療としてはギプスで固定するわけですが、4週間でギプスを半分に切ったギプスシャーレというものに替え、お風呂で動かすようにアドバイスします。
あわせて必ず食事内容を聞き、鶏肉や豚肉よりも鉄を多く含んでいる赤身の牛肉とレバーを食べるようにしてもらっています。
その際、ビタミンCのサプリメントをすすめることもあります。
しかしこれからはビタミンCの点滴をおすすめしていこうと思います。
骨に必要な栄養素=カルシウムと思われがちですが、栄養整形医学に携わる医師として、今後はビタミンCもぜひ積極的に取り入れてほしいと思います。
ストレスで消費されてしまうビタミンC
ITが進化し、あらゆる情報が飛び交い、SNSが広く普及し、時間の流れが速い……。
というこの時代には、誰もがストレスにさらされています。
そのマネジメントは必須ですが、私たちの体にはストレスへの“対応システム”が組み込まれています。
ストレスを感じると、副腎からそれに対抗するホルモンが分泌されるのです。
そのホルモンをつくるのに欠かせないのがビタミンCです。
ストレスが高じれば高じるほど、長く続けば続くほど、対抗ホルモンが必要になりますから、それだけビタミンCも消費されるわけです。
高齢者が一番ストレスを感じているのは健康上の問題だそうです。
もし、歩けないということにでもなったら、ストレスは跳ね上がるでしょう。
ストレス状況に思い当たるフシがある人は、とくに意識してビタミンCを摂る必要があるといえます。
「骨と筋肉が若返る食べ方 より」
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副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。
ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。
そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。
その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。
また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。
このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。
ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ほとんどのビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
B群は協力しあっていますから、どれが欠けても疲れやすくなります。
したがっていっしょにとるのが効果的です。
ビタミンB12について?
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