ビタミンDが転倒のリスクを下げる

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ビタミンDが転倒のリスクを下げる
 
最近注目を集めているのがビタミンDです。
これは天然のステロイドホルモンともいうべきもので、体内に蓄えておけば、必要なときにステロイドとして働いてくれます。
天然ですから安全性の高いステロイドです。
 
栄養整形医学的に見たビタミンDのメリットとして、第一にあげられるのが、腸からのカルシウム吸収をよくしてくれるということでしょう。
カルシウムは、どちらかといえば吸収しにくい栄養素です。
ですから、ビタミンDのサポートは不可欠といえます。
 
カルシウムの吸収を高めることは、骨を強くすることにも直結しますが、そもそも日本人にはビタミンDが不足しています。
患者さんの血液検査をしても、足りている人はまずいないといっていいでしょう。
 
外国では国策としてビタミンDを食品に強化している国もあるのですが、日本では残念ながらまだあまりなされていないようです。
食事の改善がベースになるのはもちろんですが、サプリメントを使ってでも補ってほしい栄養素の代表格です。
 
高齢者には転倒による骨折が多く見られます。
ビタミンDにはその転倒のリスクを下げる効果もあることが、最近の研究でわかってきました。
 
アメリカでは整形外科が細分化されていて、車椅子の人のための整形外科があるのですが、そうした施設の調査によると、ビタミンDの血中濃度(D濃度)が高い人のほうが、車椅子からベッドに移る際などに転倒する可能性が低いという結果が報告されています。
 
また、歩くのに杖を必要とする人のためのクリニックなどもあって、そこでも転倒リスクの調査がおこなわれており、やはり、D濃度の高い人はリスクが低いという、同様の報告がなされています。
 
さらに、転倒予防のクリニックでは、400人の患者さんを対象に調査がおこなわれています。
ここでもD濃度が高ければ高いほど転倒リスクが低く、D濃度が下がるほどリスクは高まるという結果となっています。
 
こうした結果は、「ビタミンDの濃度が高い=カルシウムの吸収がいい=骨が強い(筋肉にもいい)」ということによるものだと思われますが、ビタミンDが転倒リスクを下げる要因として、もうひとつ考えられることがあります。
 
私たちの耳の奥(内耳)には「耳石」と呼ばれる器官があります。
耳石は骨と同じ炭酸カルシウムでできていて、平衡感覚にかかわっていますが、ビタミンDが不足していて、カルシウムの吸収がよくないと、耳石が少なくなってしまうのです。
 
その結果、平衡感覚に狂いが生じて、転倒にもつながるわけです。
D濃度が高い人は、カルシウムの吸収もよく、耳石も正常な状態に保たれ、平衡感覚も正しく働くため、転倒リスクが下がると考えられます。
「骨と筋肉が若返る食べ方 より」
 
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イタリアで、子供に完全菜食を強いる親に対し、禁固刑の罰則を与えるという変わった法案が議会に提出されました。
肉や魚を食べない人を菜食主義者の「ベジタリアン」と呼ぶのに対し、肉や魚だけでなく、卵、バター、はちみつなど、動物搾取による製品も食さない人を完全菜食主義者の「ビーガン」と呼んでいます。
つまり、イタリアでは、子供に肉、魚、卵などを与えないビーガンの親は、法律で罰せられるべきという議論が持ち上がっているのです。
なぜ、このような法が提案されるに至ったのでしょうか。
イタリアでは、ビーガンが人間にとって、著しく健康に良いという考えが普及した結果、動物性の食物をすべて取り除いた食事を子供たちに強要する傾向が見られるのです。
このブームが影響し、ここ最近では、乳幼児や2歳の子供たちが栄養失調で病院に運ばれ、時には、危篤状態に陥る事態などが発生。
幼少時に必要なプロテイン、ビタミンD、B12、カルシウム、オメガ3、鉄分などがビーガンには足りないという問題が危惧されているのです。
 
確かにお肉を食べなければ、ベジタリアンですが、ただそれだけでは、健康的なベジタリアンとは呼べません。
お肉には、私達の体が必要とする必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれています。
それに匹敵するほど効率よく必須アミノ酸を私達の体に提供できる野菜はありませんから、お肉を食べずに体を健康的に保つには、それなりの方法を知らなくてはなりません。
 
また、ビタミンB12を含む穀類、イモ類、野菜、果物、種実はありませんから、ビタミンB12の欠乏症に陥るベジタリアン/ビーガンが多いのが現状です。
動物性食品以外では、発酵食品、海苔に含まれているのみです。
これだけは必ずしっかり毎日の食事に加えるようにしましょう。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
 
ビタミンB12は、胃の粘膜から分泌される内因子という糖タンパクと結合し、腸で吸収されます。
そのため胃の病気や高齢で吸収が悪くなっている人などの場合は吸収されにくくなるので、欠乏症状が現われやすくなります。
ビタミンB12は細胞の生成にとって重要な、核酸たんぱく質の合成に関わっているため、健康維持に無くてはならない栄養素なのです。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながることにもなります。
 
ビタミンB12について?
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