太陽光が脳の時計をアジャストしてくれる
脳の視床下部に備わっている「主時計」は、適応システムを備えていて、あらゆるものによって微調整を日々、繰り返しています。
あるものとは何か。
太陽の光です。
太陽の昇る時間、沈む時間は、一年を通じて少しずつずれますから、当然、微調整が必要ですし、飛行機で、太陽の昇る時間、沈む時間が違う場所に一気に移動した場合は大幅な調整が必要になります。
どう調整するか――。
脳の「主時計」が網膜を介して太陽光の電気信号を受け取り、バイオリズムを調整する指令を体中の細胞の時計に出すのです。
その場所における日の出・日の入りに覚醒、睡眠のリズムを合わせようと働くわけです。
このように、人間は「体内時計」を持っているわけですが、昔の人は、その体内時計にそって、自然と昼夜の営みを続けてきました。
ところが、現代人は、これを忘れ、「睡眠時間さえ確保すればいつ寝てもいいんだ」と夜ふかしをしたり、昼夜逆転の生活を送ったりしています。
そして、体や心を病んでしまったりしているのです。
「太陽の恵み」を受けずに健康的な生活を送ることはできません。
いくら科学技術や医療技術が進歩、発展しようが、健康な生活を送りたかったら人は朝、太陽が昇るとともに起き、日中は太陽のもとで活動し、太陽が沈んだら夜は寝なければならないのです。
「医者が教える疲れない人の脳 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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