Q.運動は毎日やらないと効果がない?
A.目的によっては、週に1回でもOK
運動は、「血圧」「コレステロール値」「中性脂肪値」「血糖値」を下げ、「内臓脂肪」も減少させる最高の生活習慣です。
やっていない人は今すぐ運動を始めましょう。
とはいえ、体を動かすのって、しんどいですよね。
ただでさえ、現代人は仕事で忙しく疲れているはずですし、時間もないでしょう。
さらに、40代以降になると、なかなか痩せません。
内臓脂肪は落ちやすいため、運動すれば、誰でも体脂肪率や腹囲を減らすことができます。
食事制限のみでは、脂肪よりも筋肉が減ってしまいます。
すると、基礎代謝が低下して、相対的に体脂肪率が増えてしまうのです。
必ず運動とセットにしましょう。
毎日走ったり、ジムに通ったりする必要はありません。
ダイエットのためなら、週2~3回でよいようです。
血圧の改善が目的なら、週に1回でもよいのです。
ただし、1回で少なくとも60分以上行う必要があります。
少し古い研究ですが軽度の高血圧患者を運動しないグループ、1週間に30~60分運動するグループ、61~90分運動するグループ、91~120分運動するグループ、120分以上運動するグループに分けて血圧を測ったデータがあります。
8週間のトレーニング(ランニングや自転車、水泳などの有酸素運動と腹筋運動やストレッチなど)の後、運動するグループはすべて血圧が低下しました。
ただ、61~90分の運動とそれより長い時間の運動で、血圧の下がり具合に差はありませんでした。
頻度ではなく、1週間の運動の合計時間が重要なようです。
では、どんな運動がよいのでしょうか。
さまざまな研究によると、定期的な有酸素運動は、高血圧患者の血圧を5~7mmHg(以下単位省略)くらい下げる効果があるようです。
筋力トレーニングも種類によっては、有酸素運動と同じか、それ以上に血圧を下げる効果があるという研究もあります。
ただ、有酸素運動にはデメリットがあります。
体が筋肉を分解しようとするのです。
ただ、強度を上げると、筋力トレーニングと同じような効果があり、血圧もより下がるようです。
そもそも、日本人の食事はタンパク質が慢性的に不足しています。
それらを補うことで、より軽い有酸素運動でも筋肉がつくかもしれません。
筋力トレーニングのデメリットは、スタミナが上がらないことです。
つまり、燃費の悪い、疲れやすい体になる可能性があります。
実は、筋力トレーニングでも、体は筋肉を分解しようとするのですが、トレーニング前後にタンパク質をとるとよいようです。
筋肉は、絶えず分解と生成を行なっています。
2つのバランスで筋肉量が増えるか減るかが決まるのです。
人間の体は複雑なので、「絶対にこれがいい」とは一概にいえません。
ただ、個人的には、お勧めしたい運動法があります。
それは、「HIIT(高強度インターバルトレーニング)です。
比較的高強度の運動と、低強度の運動(もしくは休憩)を短時間で繰り返すトレーニング方法です。
例えば、スクワットを高速かつ全力で短時間(20~30秒)行い、短時間の休憩(10~30秒)を挟んで、再び同じようにスクワットなどをするということを数セット行います。
HIITは短時間で、有酸素運動と筋力トレーニングの両方の効果が得られます。
さらに、中強度の持続的な有酸素運動よりも、体脂肪を減らすことができるのです。
HIITに大変詳しい、東海大学の川田浩志先生によると、全力の7~8割の強度でも十分とのことでした。
足腰が痛んで激しい運動ができない人には「Isometric Resistance Training(等尺性収縮運動)」がおすすめです。
「力を込めて動かない」運動です。
代表的なものは、「アイソメトリックハンドグリップトレーニング」です。
テニスボールなどの小さなボールを片手に持って、最大筋力の3分の1くらいの力で2分間握り、反対の手でも行います。
これを数回繰り返すのです。
握ったり離したりするのではなく、2分間握りっぱなしです。
ハンドグリップを使ってもよいでしょう。
単純な動きですが、この運動を週に2~3回行うだけで10くらい血圧が下がるというデータがあるのです。
ぜひ、食事と一緒に実践してください。
ただし、かなり血圧の高い人(上が180、下が110を超える)がむやみに運動するのは危険ですので、必ず医師の相談のもとに行いましょう。
「『血流』をよくする 最高の習慣 より」
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血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。
これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。
血管はアミノ酸、たんぱく質とコレステロールなどの脂質によってつくられます。
アミノ酸は普通の食事をしていれば十分にとれるので、動物性たんぱく質を意識しましょう。
たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。
動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。
各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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