<第4章>ため息はついてもいい!
《ため息は体をリカバリーする自浄作用》
「ため息をつくと幸せが逃げる」という言葉があるように、一般的にネガティブな印象があるため息。
しかし、自律神経の面から見ると、ため息はとても体にいいものなのです。
ため息が出るときは、心配事や悩み事を抱えていたり、根を詰めて作業をしていたりするときです。
そのとき体は緊張でこわばり、呼吸が浅くなって血管が収縮し、自律神経が不安定になってしまいます。
そこで「ふぅ~」とゆっくり長く息を吐くことで、浅くなった呼吸が深くなります。
滞っていた血流をよくし、酸素の供給も増え、副交感神経の働きを高めてくれます。
つまりため息は、自分の心と体をリセットするすばらしい自浄作用なのです。
反対に、ため息を我慢してしまうと、ますます血流が悪くなり、頭痛や肩こりなど肉体的な不調につながる可能性も高くなります。
今後は、仕事や家事などでため息をつきたくなったら、体をリセットし幸せを呼び込みチャンスだととらえ、思う存分長い息を吐きましょう。
このことからも、自律神経を整えるうえで深い呼吸が欠かせません。
自律神経の乱れを感じるときは、ひたすら呼吸を繰り返すことだけに意識を集中させる「瞑想」がおすすめ。
「1:2」の呼吸法を静かな場所で目を閉じ背筋を伸ばして実践してみましょう。
次第に雑念が消え、乱れた心が整ってくるのを感じられるはずです。
ため息が体にいい理由
ため息は疲労やストレスによって滞ってしまった血液の流れをよくし、自律神経の乱れを整える効果があります。
日常生活でため息をつきたくなったら、長くゆっくりと息を吐くことを心掛けましょう。
・行き詰まり
・不安
・心配事
・疲労
◆ため息の我慢は医学的に謝り!
呼吸が止まる
↓
自律神経が乱れる
↓
血流が悪くなる
ため息をつきたいのに我慢すると、体内の酸素が不足した状態が続いてしまいます。
そうなると、手や足の細胞や、脳、臓器などに酸素が行き渡らず、ますます血流が悪くなり、全体のパフォーマンスも下がってしまいます。
◆長いため息を楽しみながらつく
大きくため息をつく
↓
滞っていた血流がよくなる
↓
副交感神経の働きを高める
息をゆっくり長く吐き出すことで、ストレスや疲労で滞っていた血流がスムーズになり、副交感神経の働きを助けるため、心と体をリセットできるのです。
※副交感神経を活性化する1:2の呼吸法
自律神経に大きな影響を与える「呼吸」。
自律神経のバランスを整えるゆっくりとした深い呼吸は、意識して行うことによって副交感神経が活性化されて腸内環境が整い、血流もよくなります。
この副交感神経を活性化させるのに効率的な呼吸法が「1」の割合で吸って「2」の割合で吐く「1:2」の呼吸法です。
仕事の合間やイライラしたときなど意識的に行ってみましょう。
1 鼻から3~4秒かけて息を吸う
2 すぼめた口から6~8秒ほどかけて息を吐く
できるだけゆっくりと長く行う
★1日に1回、3分間を目途に行う
「自律神経の話 より」
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?
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