言葉の選び方で、人生は豊かになる
仕事は憂鬱なものだと思っている人がいるかもしれませんが、私はそうは思いません。
本当の仕事というのは、決して憂鬱ではなく楽しいものだと思います。
人生をどのように色づけるかも、すべて「言い方」にかかっています。
「仕事は憂鬱なもの」という言い方を受け入れれば、それが真実になりますし、「本当の仕事は、楽しいもの」という言い方を受け入れれば、それが真実になります。
たとえば、「雑用」という言葉。
雑にするから雑用になるのであり、その目の前の仕事を「雑用」にしてしまっているのは、言葉を発している人なのです。
「これは面倒な雑用だけど、やっといてくれる」
「この仕事は今回のカギになる。だから君に任せたい」
この2つを比較した場合、前者と後者では、言われた側の取り組み方は大きく変わってくるでしょう。
前者の場合は、「何でおれがやらなきゃいけないんだ」と思い、面倒くさい気持ちが渦巻いて血流が悪くなり、仕事はなかなかはかどりません。
いっぽう後者の場合は、「よし、がんばろう!」と、やる気が満ちてきて、血流がよくなり、冴えた頭と体でスピーディに対処できるはずです。
目の前の仕事に価値をつけられるかどうかも、すべて言い方次第なのです。
励まされた言葉「Take it easy!」
私は仕事大好き人間で、自律神経の研究を始める前は、「どんなに体調が悪くても休まない」というルールを自分に課していました。
体調が優れなくても朝の7時には病院に入り、深夜0時過ぎまで働くことが常でした。
私用で休みをとったことはありませんし、夏休みもありません。
しかし、そんな生活を続けていたところ、30歳を境に体力の衰えを感じるようになったのです。
それまでは少し睡眠をとれば疲れをリセットできていたのに、なかなか疲れが取れず、頭痛や不整脈に悩まされるようになりました。
年中かぜを引いていて、精神的にも余裕がなく、常にイライラしていました。
自律神経の研究を重ねた今は、それが単なる疲れではなく、自律神経の乱れが原因だったんだとはっきりわかりますが、当時は、ただ単に疲れているだけだと思っていました。
初めてロンドンに留学して臨床医師として働き始めた時も、最初は言葉のハンデもあり、自律神経のバランスは最悪だったと思います。
そんなとき、同僚がこう言いました。
「Take it easy!=気楽にいこう」
そう言ってもらった瞬間、自分の中でピーンと張り詰めていたものがゆるみ、それまでのガムシャラながんばりとは違う、穏やかなエネルギーがわいてきたのです。
あのひと言がなければ、もしかしたらつぶれてしまっていたかもしれません。
人生を後押ししてくれた、大切な言葉です。
ガムシャラながんばりは、所詮長続きしません。
心と体が壊れてしまうからです。
人生を豊かにするためには、穏やかに、でも確実にエネルギーを蓄え、一日一日チャージしていくことが大切です。
「自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」 より」
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心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。
コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。
役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。
これが、正常なストレス反応の流れです。
ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。
こうなると、状況が一変します。
コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。
まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。
副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。
ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。
そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。
その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。
また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。
私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。
このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。
ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアでATPが十分につくれなくなる。
ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。
ビタミンB12について?