セロトニン神経の鍛錬にはゴールがありません。
セロトニンは長期間ためておくことができないからです。
ストレスによってセロトニンはだんだん減っていきますので、私たちが生きている限り、少しずつ補給しなくてはなりません。
セロトニン神経を活性化する方法として、太陽の光を浴びて毎日ウォーキングすることを推奨しましたが、運動に慣れていない人にはそれだけでも難しいかもしれません。
初級レベルは、まずそれを克服することがメインです。
朝、ちょっと早起きして家の近所を集中しながら歩いてみてください。
これを3ヵ月続けてみて、「体調がよくなってきたぞ」と感じ取ることができれば、セロトニン神経を鍛える初級レベルに合格したといえます。
ウォーキングには30分程度かけるのが理想ですが、どうしても時間がない日には5分でも10分でもかまいません。
また、家の近くを散歩するだけでなく、一駅分を歩くというのでもいいでしょう。
とにかく毎日続けることが大切です。
最初の1週間くらいは面倒に感じるかもしれませんが、それを越えれば日課になってきます。
毎朝、歯を磨いて顔を洗わないと気分がよくないのと同じように、ウォーキングをしないと落ち着かなくなってくるはずです。
ただ、最初のうちは、なかなかセロトニン神経が鍛えられたという実感がわかないかもしれません。
というのも、セロトニン神経には「自己抑制作用」があるからです。
トレーニングを開始したばかりの段階では、このためになかなかセロトニンの放出を増やすことができません。
しかし、トレーニングを継続することで自己抑制作用が解かれていき、体調がよくなったことを実感するはずです。
その状態を3年続けることができれば中級レベル。
もうトレーニングが生活習慣になり、生活の一部になっていることでしょう。
日常生活のなかでも、なるべくものを噛むように心がけたり、呼吸法を意識したりできれば理想的です。
そして、セロトニン神経を鍛える上級レベルは、これを一生続けることができる人です。
3年以上続けていけば、一種の悟りの境地に達することができます。
セロトニンが充分に足りているのか、それとも不足気味なの、自分自身で感じることができるようになるでしょう。
セロトニン神経を鍛える基本は、「継続と集中」に尽きるといっても過言ではありません。
継続にはエネルギーが必要ですが、「千里の道も一歩から」です。
一度に長時間するのではなく、1日5分でもいいですから続けることが大事であることを、頭に入れておいてください。
「脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」
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自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
B群は協力しあっていますから、どれが欠けても疲れやすくなります。
そして、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12は胃液からつくられる糖タンパクと結合して吸収されます。
この糖タンパクが内因子と呼ばれるものですが、胃の病気、胃粘膜に障害がある人は内因子がつくられず、ビタミンB12が吸収されなくなります。
しかし、ビタミンB12は大量に摂ることで浸透圧の原理による押し込み効果によって胃の内因子と関係なく吸収されることが分かっています。
吸収率を高めるビタミンB12摂取量の目安は1000μg(マイクログラム)以上と考えられています。
また、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
ビタミンB12について?