第2章 <油>脳の認知機能を上げる「善玉油」と「悪い油」
ここに効果的!→けつ(血管)のう(脳)
脂質は、1g当たり99キロカロリーと効率のよいエネルギー源です。
油に溶ける脂質性ビタミンの吸収を助けたり、体温を保ったり、内臓の保護にかかわったりと、生きるために欠かせません。
オリーブオイルに多いオメガ9脂肪酸のオレイン酸は、脳の背側視覚経路という部分に働きかけて知能を高めてくれることがイリノイ大学の研究で明らかになっています。
また、えごま油やアマニ油にふくまれるオメガ3脂肪酸のα-リノレン酸は、体内に入るとDHAやEPAに変わり、脳の神経細胞を活性化させてくれるため、魚を食べられないときにもおすすめです。
ご注意いただきたいのが揚げ油。
油を高温で熱するとトランス脂肪酸に変化して、悪玉コレステロールを増やします。
揚げ油は週に1回、油を使用した料理は1日に2品程度まで。
揚げ油はできるだけ1回で使い切るのがベストですが、使いまわすなら、だいたい2~4回くらいにとどめましょう。
料理にかけるだけで脳を活性化!
・認知機能アップ
・悪玉コレステロール減少
・高血圧を予防
・オレイン酸(オリーブオイル)・ビタミンE・α-リノレン酸(えごま油、アマニ油)・β⁻カロテン・脂質
レシピのいらない食べ方
サッとひとかけでの脳活料理に変身!
そのひとかけが元気に長生きの秘密!
えごま油やアマニ油は熱に弱いため、必ず加熱せずに使います。
料理に小さじ1杯、サッとひとかけ。
ぼくは、ほうれん草のおひたし、納豆、豆腐、サラダなどによくかけるし、野菜ジュースやヨーグルトにも入れます。
オリーブオイルをそのまま食べるなにら「エキストラバージンオイル」がおすすめ。
白身魚の刺身にかけて、カルパッチョ風にすると見た目も豪華ですよ。
一方で、ラード、牛脂、バターなど、常温でも固形の動物性の脂は体内で固まりやすく、血液ドロドロの原因に。
長生きのためには、できるだけひかえたほうがよさそうです。
「鎌田式 長生き食事術 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。
ビタミンB12について?