「アラキドン酸」と「EPA」をバランス良く

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「アラキドン酸」と「EPA」をバランス良く
 
これらのうち、体内ではつくることができないので、食事で摂らなければいけない必須脂肪酸が「オメガ3脂肪酸」と「オメガ6脂肪酸」です。
どちらも「摂らなければいけない」のですが、大事なのは、その比率。
理想は、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸を、同じくらいの割合でとることです。
 
オメガ3脂肪酸は、体内で「EPA(エイコサペンタエン酸)」や「DHA(ドコサヘキサエン酸)」に変わり、オメガ6脂肪酸は「アラキドン酸」に変わります。
EPAとDHAは青魚に豊富に含まれる、体に良い成分として有名ですね。
 
血管力を上げるという意味では、EPAが重要で、「EPA÷アラキドン酸=1」になるのが理想。
そのために、オメガ3系とオメガ6系をバランスよく摂りたいのです。
 
なぜなら、「EPA÷アラキドン酸」の比率が0.75を下回る――つまり、アラキドン酸の摂取量のほうが多い――と、動脈硬化が進み、血管が老化しやすいことがわかっているからです。
 
寒いグリーンランドに住むイヌイットの人たちは、農業ができないので野菜や果物の摂取量はとても少なく、ほとんどの食事を、EPAが豊富な魚介類やアザラシ、オットセイでまかなっています。
そのため、「EPA÷アラキドン酸」の比率は「9」ととても高い。
 
では、日本人の平均はどうなのでしょうか。
 
漁業をしている日本人高齢者の「EPA÷アラキドン酸」比は0.75とそこそこ高いのですが、4564歳の平均は0.545歳未満では0.3.
10代、20代の若い人たちに限れば、もっと低く、0.10.2です。
 
その背景には、食の欧米化とともに、魚離れがあります。
昔は、全脂質のうち、かなりの割合を魚が占めていました。
ところが、食事の欧米化が進んで肉や植物油の摂取量が増えるにつれ、相対的に脂質に占める割合が減っていきました。
そのころから、脳卒中心筋梗塞などの血管病が増えています。
 
最近では20代、30代という若い人の脳卒中心筋梗塞も増えています。
それは、魚を食べる量が減って、「EPA÷アラキドン酸」比も下がっているということと大いに関係しているはずです。
 
オメガ6脂肪酸は、サラダ油やコーン油などの家で使う調理油をはじめ、惣菜や外食の揚げ油、スナック菓子などの加工食品など、いたるところに使われているので、意識をしなくても、摂りすぎなほどに口にしています。
一方、オメガ3脂肪酸は不足しがち。
「EPA÷アラキドン酸」の比率を「1」に近づけるには、オメガ6脂肪酸を少し減らして、オメガ3脂肪酸を増やすこと。
テレビや書籍で「アマニ油がいい」とよく勧めていますが、それはオメガ3脂肪酸を手軽に摂れる油の代表がアマニ油だからです。
 
まとめると、
・血管の老化を防ぐには「EPA÷アラキドン酸=1」が理想的
・オメガ3脂肪酸は体内でEPAに変わり、オメガ6系はアラキドン酸に変わる
・オメガ6脂肪酸はいたるところに使われているため、ふつうに生活しているだけで、「EPA÷アラキドン酸」比は低くなりがち
・だから、アマニ油など、オメガ3系の油を意識的に使うといい
 
もちろん、オメガ3脂肪酸は体内でEPAに変わるからいいのであって、EPAそのものが豊富に含まれている青魚の刺し身を3切れ食べたほうがよっぽどよいことは言うまでもありません。
「人は血管から老化する より」
 
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 「老化」と聞いたとき、どんな変化を思い浮かべますか?
顔のシミやシワ、老眼、体力の衰え……。
それらももちろん老化の1つですが、根本的な老化とは「血管が衰えること」です。
 
わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。
動脈硬化とは、血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)動脈硬化が見られるようになります。
 
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
 
ビタミンB12には、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きがあります。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
また、一般にビタミンB群は協力して働いているため一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
 
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