栄養成分を組み合わせて効率よくとることが重要

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栄養成分を組み合わせて効率よくとることが重要
 
●脳に効く栄養成分を同時にとると効果が高まる
栄養成分は単独では十分に働くことができません。
それぞれの栄養成分が協力し合い、補い合って効力を発揮するのです。
たとえば、強力な抗酸化作用を持つビタミンEは、同じく抗酸化作用を持つビタミンCといっしょにとると、より効果が高くなります。
 
実際、アメリカのブルームバーグ公衆衛生大学のザンディ医師らが約4700人の高齢者を対象に行った調査では、ビタミンECをいっしょにとっている人は、アルツハイマー認知症になりにくいという結果が得られました。
この人たちは、サプリメントや複合ビタミン剤を利用して、ビタミンECを同時に摂取していました。
しかし、ビタミンEあるいはCを単独で飲んでいる人には、その効果はみられなかったのです。
 
また、自治医科大学大宮医療センターの植木彰教授らが、アルツハイマー認知症患者の食事の内容を調べたところ、同年齢の健康な人に比べると、魚と緑黄色野菜の摂取量が少ないことがわかりました。
アルツハイマー認知症患者には、偏食の傾向があったのです。
偏食があるとアルツハイマーになるというわけではありませんが、栄養成分は相互に働いて効果を高めます。
さまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。
 
地中海式の食事が生活習慣病を防ぐことはよく知られていますが、脳にもよいことがわかりました。
 
アメリカのコロンビア大学のニコラオス・スカーミーズ医師らの疫学調査によると、地中海式の食事を多くとった人は、あまりとらなかった人に比べると、約40%アルツハイマー認知症発症のリスクが低くなることがわかったのです。
 
地中海式の食事とは、野菜や果物、穀類、豆類、魚、オリーブオイルなどはたっぷりとる一方、肉や乳製品はひかえめにし、赤ワインを適量にとるというものです。
 
単一の食材ではなく、脳によい種々の食材を組み合わせてとることが相乗効果を生み、脳を酸化から守ると考えられます。
 
栄養成分をどのように組み合わせたらいいか分からないという人は「26:認知症には栄養成分が効く」で取り上げている栄養成分を、なるべく同時にとるように心がけてください。
認知症 治った!助かった! この方法 より」
 
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現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
また、食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。
胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
生活習慣を変えるとともに栄養面の改善も非常に大切です。
 
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