「ゆっくり食べる」というトレーニング

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「ゆっくり食べる」というトレーニン
 
夕食の考え方も、基本的には昼食と変わりありません。
食物繊維、タンパク質、炭水化物をバランスよく食べることが大切です。
 
昼食と違う点は、夕食は「質の高い睡眠」を準備する役割を担っていることです。
遅い時間に夕食をとると、お腹がすいているのでどうしても早食いになりやすく、食べる量も増えてしまいます。
また、寝る前に食事をすると、睡眠中に胃や腸が働いたしまうため、疲れがとれなくなります。
ですから、できるだけ夕食は就寝24時間前にすませて胃を休めることを意識してください。
 
どうしても夜食をとる場合は、お茶漬けやうどんなどの高GI食を少しだけとるようにしましょう。
消化吸収がよいので、眠りを邪魔しにくいと考えられます。
 
もう一点、夕食の際にとくに実践してほしいのは、「ゆっくり食べる」ことです。
ゆっくりと食べるだけで、消化の効率がよくなり、多くのエネルギーを蓄積できるようになります。
 
ゆっくり食べることは、味覚にとっても非常に重要です。
 
ふつう味覚は舌で感じるものだと考えがちですが、じつは味覚のうち、舌で感じる割合は2割で、残りの8割は「のどの奥から鼻に抜ける香り」で感じています。
鼻づまりのときに、味がわからなくなるのはそういう理由です。
 
ゆっくり食べると呼吸もゆっくりになるので、料理の味を十分に味わうことができます。
逆に、急いで食べると、吸うことに偏ってしまうため、味わって食べることができません。
 
具体的には、食べものを噛む回数を増やすといいでしょう。
口に入れたら2030回は噛むようにする。
また、一口食べたら、箸やフォークを置いてみるのも効果的です。
 
ゆっくり、ゆっくりと噛んで食べ、一瞬一瞬の味覚に集中する、これは日々の食事でも実践できることです。
一品一品の料理を時間をかけて味わって食べることは、健康によいだけではなく、集中力を高め、感覚を磨くことにも効果を発揮します。
その意味では、食事はそれ自体がマインドフルになるためのトレーニングなのです。
 
※「マインドフルネス」は、次世代のメンタルトレーニングともいわれます。
それまでのトレーニングは「考え方」を変えることに注力してきました。しかし人間の考えは、そんなに変わるものではありません。そこで「考え方」ではなく「注意」をどこに向けるのかをトレーニングすることによって苦痛を和らげる方法としてつくられたのが「マインドフルネス」です。
「疲れない脳をつくる生活習慣 より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
 
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
また、人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
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