
「うつ」の原因は脳にあるのか
いま、うつになる人が増えているといわれています。
この考え方に従うと、「うつは脳の内部で生み出される」ということになりますが、実はこれも仮説のひとつに過ぎません。
「なぜうつになるのか?」――いまの医学ではハッキリしたことがわかっていないのが現状です。
とはいえ、うつになる人には一定の傾向が見られるのも事実。
ここでは、また別の視点から、この傾向について考えていきましょう。
うつを引き起こす要因として注目しているのは、いうまでもなく自律神経です。
自律神経は意識的にコントロールすることができない内臓や血管などの働きを司っている神経で、活動時に優位になる「交感神経」と休息時に優位になる「副交感神経」に大きく分けられます。
朝から日中にかけては交感神経が、夕方から夜にかけては副交感神経が優位になる傾向があることから、つねにどちらかが優位になるシーソーのような関係にあるとイメージしている人が多いかもしれません。
しかし、正確には次の四つのパターンに分けることができます。
1 交感神経も副交感神経も高い
2 交感神経が高く、副交感神経が極端に低い
3 交感神経が低く、副交感神経が極端に高い
4 交感神経も副交感神経も低い
これは、自律神経の働きを機器で計測することで明らかになっていたもの。
このうち心身の状態が最もよく、パフォーマンスが発揮しやすいのは、1の「交感神経も副交感神経も高い」状態のときになります。
これは、自律神経のバランスが理想的に取れた状態といえますから、一つ目の目標に向かってやる気が高まり、心身が充実します。
また、脳に十分な血液が行き渡るため、集中力や判断力が増した、いわゆる「冴えた状態」ということもできるでしょう。
もちろん、いくらバランスが取れているといっても、1日のうちでどちらかが優位になる時間帯があります。
また、集中しているときは交感神経が、リラックスしているときは副交感神経が優位になりますから、冴えた状態でも両者のバランスは小刻みに変化していると考えてください。
逆にいえば、このバランスが大きく崩れ、2と3のようにどちらかに傾くようになったり、4のようにともに低くなったりしたとき、私たちは心身に不調を感じるようになるのです。
前置きが長くなりましたが、うつの症状は、3の「交感神経が低く、副交感神経が極端に高い」ときに現れることが圧倒的に多いのです。
車の運転にたとえると、それは「アクセルを踏んでもスピードが出ず、ブレーキばかりが異常に利きやすい状態」です。
メンタル面でも、自律神経のバランスはとても重要なこと。
うつの発症は、自律神経の働きと密接な関係があるのです。
「人生を決めるのは脳が1割、腸が9割! より」
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それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
また、現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
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