サビないからだをつくる

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サビないからだをつくる
 
からだがサビる――。
そう聞いても、どんな状態かピンとこないかもしれません。
 
鉄が酸化すると赤いサビが発生し、もろく崩れやすくなります。
人間のからだもこれと同じように、活性酸素という悪玉の酸素によって細胞が酸化し、つねにサビが進行しています
細胞がサビれば、からだのあちこちがもろくなって衰え、生活習慣病やがん、認知症などを発症する引き金となります。
つまり、老化は細胞の酸化から始まるのです
 
その元凶である活性酸素は、呼吸することによって発生します。
ストレスや喫煙、大気汚染、食品添加物なども発生の要因です。
このように私たちのまわりには、活性酸素を生み出す因子で満ちあふれています。
 
もともとからだには活性酸素を防御するシステム=「抗酸化力」が備わっており、発生を食い止め、排除しています。
しかし、加齢とともにその機能は低下していきます。
サビないからだをつくるには、いかに抗酸化力を高めるかにかかっているといっていいでしょう。
 
そのためのもっとも効果的な方法が、食べ物の力を借りることです。
 
ファイトケミカルを豊富に含む色の濃い野菜や果物のなかには、抗酸化を高めるはたらきをもつものがたくさんあります。
そうした食品を上手に取り入れましょう。
 
サビつき予防には「ファイトケミカル」+赤ワイン
 
抗酸化力アップに絶大な効果があるのが「ファイトケミカルです。
 
ファイトケミカルとは、野菜や果物に含まれている植物性化学物質。
植物の色素や苦味、辛味、香りをつくっている成分です。
現在わかっているだけでも1千種以上あり、ぶどうに含まれるポリフェノール、トマトのリコピン、ブルーベリーのアントシアニンなどがそれに当たります。
 
ファイトケミカルはからだに入ると、抗酸化力を高めるはたらきをして、サビつきを防ぎ、老化を食い止め、さまざまな病気を遠ざける免疫力をサポートします。
 
また、ファイトケミカルを摂取する際に気をつけたいのが、ひとつの食材を集中的に食べるのではなく、多種類の食材から栄養をとるようにすることです。
その際に「食卓に7色の野菜をそろえる」ということを心がけてください
野菜の色が多ければ多いほど、たくさんの種類のファイトケミカルが摂取できます。
 
アブラナ科の野菜、ブロッコリーや小松菜、キャベツなどには多くのファイトケミカルが含まれますが、なかでもブロッコリーにはスルフォラファンをはじめ約200種類のファイトケミカルが含まれており、スルフォラファンが体内の免疫細胞に入ると、細胞のなかの抗酸化酵素がよくはたらくようになります。
 
トマトやりんごなど色の変わる野菜や果物は、色が濃いものを選ぶようにしましょう。
色が濃いものにより多くのファイトケミカルが含まれています。
 
また、ファイトケミカルは植物の皮や茎の部分に多く含まれているので、できるだけ皮をむいたりせず、丸ごと摂るのがポイント。
そのためにも、なるべく無農薬のものを選ぶといいでしょう。
 
ほかにも、大豆に含まれる大豆イソフラボンや、赤ワインに含まれるポリフェノールにも高い抗酸化力があります。
塩麹活性酸素を中和し、老化予防に効果的な食品です。
大豆が主原料の納豆や赤ワイン、塩麹などの発酵食品を摂りましょう。
 
《サビつき予防におすすめの発酵食品》
 
納豆
大豆イソフラボンの抗酸化力が動脈硬化脂質異常症などを予防する
赤ワイン
血液中の悪玉コレステロールの酸化を防ぐ
活性酸素を中和し、細胞のサビつきを抑制する
 
《サビつき予防におすすめの食材と含まれるファイトケミカル
 
スルフォラファン(血栓・がん予防)
トマト
リコピン(がん予防)
大根
イソチオシアネート(免疫力アップ、がん予防)
にんじん
β‐カロテン(動脈硬化・がん予防)
ほうれん草
ルチン(がん・心臓病予防)
タマネギ
硫化アリル(血管性の認知症・がん予防、デトックス効果)
里芋、長芋
ムチン(血糖値の上昇予防)
ブルーベリー
りんご
りんごポリフェノール(動脈硬化予防・血管性の認知予防)
ザクロ
ザクロポリフェノール(脳・認知機能の老化予防)
バナナ
オイゲノール(免疫力強化)
カレー(ウコン)
クルクミン(脳・認知機能の老化予防)
 
※抗酸化力
細胞を酸化させ、さまざまな病気の原因をつくる活性酸素の害を防ぐ力。
「腸を元気にしたいなら発酵食を食べなさい より」
 
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根本的な老化とは「血管が衰えること」です。
わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。
動脈硬化とは、血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
 
ビタミンB12には、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きがあります。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
もしビタミンB群のビタミンB12や葉酸があれば、ホモシステインは分解されます。
 
また、ビタミンB12は 細胞の生成に重要な核酸(DNA)・たんぱく質の合成、神経、神経伝達物質、認知機能に関わる補酵素です。
新しい核酸たんぱく質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
 
ビタミンB12は、胃の粘膜から分泌される内因子という糖タンパクと結合し、腸で吸収されます。
そのため胃の病気や高齢で吸収が悪くなっている人などの場合は吸収されにくくなるので、欠乏症状が現われやすくなります。
しかし、ビタミンB12は大量に摂ることで浸透圧の原理による押し込み効果によって胃の内因子と関係なく吸収されることが分かっています。
吸収率を高めるビタミンB12摂取量の目安は1000μg(マイクログラム)以上と考えられています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
 
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