性格は変わらないが、思考のクセは変えられる

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性格は変わらないが、思考のクセは変えられる
 
認知療法」は、軽いうつには有効!
 
人間の性格は、なかなか変わりません。
しかし考え方を変えることはできます。
 
うつっぽくなりやすい人は、概して物事をマイナス、後ろ向きに考え、あるショックなどをいつまでも引きずる
 
「うつを気軽に治す方法」「心配性を恐れるな」……といったたぐいの本や記事は、広い意味では、「考え方の“クセ”を変えましょう」というものです。
 
うつ傾向の人は、「もうダメだ……」というふうに考えてしまう、思考の“クセ”があります。
何かに悩むといつまでも考え込む。
この考え方のクセを、できるだけ「いいほう」に変えていこうというのが、「認知(行動)療法」です。
 
人はそれぞれ価値観が異なります。
同じ出来事に遭遇しても、ある人は悲しみ、ある人は怒る。
まさに考え方(認知)次第なのです。
 
とはいえ普通は人によってそんなに違いません。
誰もが心地よいと思うことは、多くの人が心地よいのです。
ところがうつ傾向になると、いろいろなことを悲観的に考えるようになります。
周囲のみんなが喜んでいる場合でも、「自分はなぜ喜べないんだ」と考えたりもします。
 
これを「認知のゆがみ」と言います。
 
カウンセリングなどによってこの「ゆがみ」を直していくのが認知療法です。
たとえば小さな失敗をいつまでも引きずるのは「破局思考」という認知のゆがみでもあります。
 
オール・オア・ナッシングの考え方は「二分割思考」と言われます。
失敗しても、「またやり直せばいい」と考えられず、「もう自分はダメだ」などと考えてしまいます。
 
くよくよするのも、同じようなものです。
 
今がとてもつらい場合、「あのときこうしておけばよかった」と考えます。
しかし、いくつか選択肢があって一つを選んだら、ほかの選択肢は消えると割り切ってしまわないと、いつまでも過去にこだわってしまいます。
 
時間は逆戻りできないのだから、冷静に考えるとあまり意味のない悩みであり、その結果のストレスなのです。
 
もちろん「割り切って忘れてしまう」ということは、むずかしい。
しかし、過ぎた過去を後悔して思い悩むのは、やはり認知のゆがみと言えます。
 
考え方のクセを、どう変えるか?
 
認知療法では、ていねいに医師やカウンセラーとの対話を繰り返します。
このことで、「ものごとにはいろいろな考え方があるのだ」ということを理解し、抑うつ感を軽くしていく。
 
まず「認知のゆがみ」を直す最もポピュラーな方法が、考え方や感情を記録するやり方です。
たとえば、すぐに落ち込んだりうつっぽくなる人は、自分の思いや感情、考え方をノートなどに記録していく。
そうして次に、その考え方の代替案を記録する。
 
 そうやって少しずつ、考え方を修正していくのです。
ただ、これは決してラクではありません。
自分の考え方を整理することは、簡単ではないのです。
 
 だから、ある意味で、「今のままでいいじゃないか」という考えになってもいい。
何とかしてゆがみを直すのだと意気込むと、逆にうつは重くなります。
 
 なお、認知療法はできるだけ医師やカウンセラーと一緒に行うこと
一人でやると、往々にしてドツボにはまります
 
 認知療法は、簡単にできそうでなかなかむずかしい。
最初から自分の感情をコントロールできるなら、そもそもうつになりにくいはずです。
 
 だから認知療法は、重症の人には向きません
適応障害神経症レベルの人向きの方法です。
現在うつで何もできない人に「考え方を変えよ」と言っても無理な相談です。
 
 ただ、慢性化して軽症のまま長引いている人、うつ以前の人には最適でしょう。
 
気軽な認知療法で開き直るのもいい
 
 また認知療法は、あくまで患者とカウンセラーなどの治療者が一緒に考え方のクセを洗い出し、思考のゆがみを修正するものです。
長い時間かかるかもしれません。
 
 本格的な認知療法だけでなく、リラックスして開き直るぐらいの、軽い認知療法でも充分に効果があると思っています。
確かに心配性の人はうつになりやすいですが、それだけ物事に対して慎重でていねいだということでもあります。
 
 心配性でもいいじゃないかというぐらいの、気持ちの切り替えをしてほしいのです。
 
 そもそも「考え方のクセを変える」ということは、ある意味で自分の価値観や考え方を、いったん否定することでもあります。
これは「自分はダメだ」と考えるようなもので、場合によっては逆効果になります。
 
 あるがままの自分を受け入れることも重要なのです
 
 弱気な人は、「弱気でも自分は自分だ」と考える。
くよくよする人は何が何でも前向きになろうとするのではなく、そういう自分でも価値はあるのだと考える――これが考え方を切り替えるということです。
 
 気軽に、アバウトに、多少いい加減でもいいから、ゆっくりと自分の考えを変えていけばいいのだ――と考えることが大切だと思います。
それは、うつな自分としっかり向き合い、むやみにストレスをため込まないことにもつながるはずです。
「うつ」にならない習慣抜け出す習慣 より」
 
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
 
仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、イライラしやすくなります。
また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。
こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。
 
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、ビタミンB12は、葉酸をはじめとするビタミンB群、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒に摂ることが望ましいとされています。
 
ビタミンB12の働き
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