脳内セロトニン分泌を促すリズム運動とは

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脳内セロトニン分泌を促すリズム運動とは
 
一般に、人間が命の営みを全うできなくなる状況では、歩けなくなり、食べられなくなり、呼吸ができなくなる。
この生命活動に直結した「リズム運動」(歩行・咀嚼・呼吸のリズム運動)が脳内セロトニン分泌を促すということが、脳科学研究で明らかになった。
ただし、脳内セロトニン分泌を増やすためには、これらのリズム運動を「集中」して一定時間(530分)「しっかり」継続しなければならない。
 
例えば、歩行のリズム運動は健康法として30~40年の歴史があり、万歩計を持って通勤している中高年の人が結構いる。
それは有酸素運動(エアロビクス理論)として、肥満対策や心臓病予防に有効ではあっても、セロトニン活性にはならない。
歩行リズム運動として脳内セロトニン分泌を増やすには、「集中」と「しっかり」というチェックポイントがあって、その点において通勤途中の歩行リズム運動は問題がある。
そこで、リズム運動におけるチェックポイントを具体的に解説してみよう。
 
呼吸法のポイント
 
まず、呼吸のリズム運動のチェックポイントから。
呼吸には二つの異なるリズム運動がある。
「生きる呼吸」と「呼吸法」である。
 
私たちは生まれてから死ぬまで、睡眠中も休むことなく呼吸リズム運動を継続している。
5分間呼吸が止まると死ぬわけで、全身の細胞に酸素を供給するために不可欠である。
しかし、この呼吸リズム運動はセロトニン分泌を促さない。
なぜなら、私たちは睡眠中も呼吸をしているが、睡眠中にはセロトニン分泌が基本的に発生しないからだ。
生きる呼吸は無意識のリズム運動であって、「集中」と「しっかり」という条件を満たさない。
それを生理学的に詳しく分析してみると、生きる呼吸に使われる筋肉は、主に横隔膜で、その収縮は肺に空気を吸い込む動きを発生させる。
司令を出すのは、24時間休むことなく働く呼吸中枢。
意識しないでもこの運動は行なわれる。
吐くのは、呼吸中枢からの吸えという司令がなくなるからで、自然に元の位置に戻る。
 
他方、セロトニン分泌を促す「呼吸法」においては、肺から空気を吐き出すための筋肉=腹筋が活発に収縮する点で、生きる呼吸とは異なる。
その司令を出すのは、呼吸中枢ではなく大脳皮質であり「集中」して「しっかり」吐けという司令を発する。
この運動をサルにやらせることはできないし、赤ん坊にも無理。
「しっかり」吐き切る運動をなるべくゆっくり実施することが呼吸法のポイント。
時間で計る必要はないが、8~12秒くらいが普通である。
 
なお、意識して吐くときに使われる腹筋の収縮は、下腹部(古代中国の気功法では丹田と称する)を大きく凹ませるので、丹田呼吸法と呼ばれる。
この丹田呼吸法を5分以上30分くらい行なうと、脳内のセロトニン分泌が増えて、5つの脳機能(大脳の覚醒・ネガティブな気分の解消など)に変化が起こることを証明している。
「自律神経をリセットする太陽の浴び方 より」
 
丹田呼吸法》
丹田とは東洋医学で使われる言葉で、おへそから拳1つ分ほど下の体内にあると言われています。
基本姿勢はあぐらや正座ですが、膝などが痛い方は椅子に座って行いましょう。「丹田呼吸法」は、以下のような手順や意識で行います。

1. 座った状態で肩の力を抜いてリラックスをし、背筋を伸ばす
2. 呼吸は基本的に鼻で行う
・息を吸う動作は10秒ほどかけてゆっくり行う
3. 鼻呼吸のとき、「息を吸っている時にお腹を膨らませ、息を吐く時にお腹がへこませる」ことを意識して行う。
 ・息を吐く時は「3拍子(ハー・ハー・ハーの要領)」
 ・息を吐く動作(丹田をへこませる動作)は、息を吸う動作の「倍」の時間をかけて行う(10秒で吸ったら20秒で吐く)
4. 両手を合わせて丹田(下腹部あたり)に添える
 ・吐く動作で丹田の動きを意識するため、上半身を30度ほど前に傾ける
 ・息は全て吐き切らない
5. 息を吐く時、丹田がしっかりへこんでいることを意識する
こうした一連の呼吸を、まずは5分程度おこなってください。慣れてくれば30分以上行うことで、体への効果は飛躍的に高まります。
 
丹田呼吸法を実践する場合は、1つだけ注意点があります。
「立ったままで丹田呼吸法を行わない」。丹田呼吸法には初期の練習時に、立った状態で呼吸を行うというものがあります。体全体の使い方や丹田に力が入るイメージがしやすくなるのでオススメなのですが、立ったまま長時間でこの呼吸法をしているうちに、立ちくらみなどめまいを起こしてしまう人もいます。基本的な動作がわかったら、座った状態で呼吸を行うようにしましょう。
 
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
 
ビタミンB12の働き
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