ビタミンB群が「糖化」を防ぐ

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ビタミンB群が「糖化」を防ぐ
 
ビタミンB群は「代謝ビタミン」と呼ばれることからもわかるように、食べたものをエネルギーに変える(代謝する)うえで不可欠な栄養素です。
例えば、ビタミンB1は糖質の代謝にかかわっていますし、B2は脂質の代謝に、B6はアミノ酸(たんぱく質)の代謝にそれぞれかかわっています。
 
ビタミンB1が不足すると、糖質(ブドウ糖)の代謝がうまくおこなわれなくなり、いわば不完全燃焼を起こして、乳酸として蓄積されることになります。
これが疲労や筋肉痛、肩こりなどの原因となるのです。
 
2は糖質の代謝に使われ、過酸化脂質ができるのを防ぎます。
老化を進めるのがこの過酸化脂質。
ですから、整形外科のトラブルにつながる老化を防止するためにも、十分なB2の摂取が必要です。
 
ビタミンB3(ナイアシン)は炎症の沈静化に働き、カーフマン(米国)によると、変形性関節症の炎症軽減、関節の可動域の改善が報告されています。
 
食事で摂ったたんぱく質は、いったんアミノ酸に分解されて吸収され、体内で必要な形に合成されます。
その際に必要なのがB6です。
筋肉にも骨にも重要なのがたんぱく質ですから、B6が不足すれば、再合成がうまくおこなわれないことにもなります。
 
また、B12は葉酸と連携して赤血球が新しくつくられるときに、そのサポート役として働きます。
12、葉酸の不足はその過程で不具合を生じさせることになり、貧血の原因になります。
貧血が整形外科のトラブルを起こすことは、すでにお話したとおりです。
 
以下にビタミンB群を多く含む食品をあげておきましょう。
 
・ビタミンB1……豚肉、ウナギ、ナッツ類
・ビタミンB2……レバー(豚、鶏、牛)、ウナギ
・ビタミンB3(ナイアシン)……カツオ、イワシ、レバー(豚、鶏、牛)
・ビタミンB6……牛レバー、カツオ、サンマ
・ビタミンB12……レバー(牛、鶏)、牡蠣、サンマ、ニシン、アサリ
葉酸……枝豆、ほうれん草、菜の花、からし
 
ビタミンB群の効果は連係プレーによって、十分に発揮されますから、単体ではなく、複合体で摂るのがいいといえます。
その意味でも、B群もたんぱく質も鉄も豊富な牛の赤身肉やレバーがおすすめです。
 
ちなみに、B群不足になると、においに敏感になります。
牛肉はにおいがきつくて食べられない、という高齢者がいますが、B群不足が起きていると考えられます。
実際、B群の摂取に努めてB群不足が解消されると、赤身肉も食べられるようになる、というケースが少なくないのです。
 
ただし、高齢者は肉を大量に食べるのは難しいでしょう。
そのため食事だけではB群が不足しがちです。
医療用のサプリメントを利用して補っていくのがいいと思います。
 
血液中に存在するアミノ酸の一種に「ホモシステイン」というものがあります。
これは悪玉アミノ酸で、その血中濃度が上がると、コラーゲンの質が低下します。
 
増えたホモシステインが酸化すると、AGEs(糖化最終産物)がつくられやすくなります。
コラーゲンの質を低下させるのがこのAGEsです。
骨の鉄筋部分を構成しているのはコラーゲンですから、それがAGEsによって糖化して質が低下し、しなやかさを失えば、骨粗鬆症などのリスクも高まります。
 
ホモシステイン血中濃度を下げる働きをするのが、葉酸、ビタミンB6、B12です。
 
ビタミンB6には、AGEsの一種であるペントシジンを減らす効果もあります。
ペントシジンもコラーゲンの質を下げて、悪玉架橋をつくり骨質を劣化させるのです。
6をしっかり摂ってペントシジンを減らすことで、骨の糖化にも歯止めがかかることになります。
「骨と筋肉が若返る食べ方 より」
 
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
 
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
 
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
 
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
 
ビタミンB12について?
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