自然をリスペクトする生活とは「朝」

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自然をリスペクトする生活とは「朝」
 
まず朝の起床について。
日の出の時間は季節によって違いがあります。
夏は4時半頃であり、冬は6時半頃と、2時間も差があります。
したがって、「体内時計」に従えば、起床時間は夏と冬では変えるのが、脳科学的には正しいのです。
欧米では、夏時間を採用して、時計の針を進める修正がなされている所もあります。
日本でも一時導入しましたが、今は使用されていません。
 
いずれにせよ、例えば6時30分に起床する人の場合、「体内時計」にとって、夏の6時30分起床は若干遅いのです。
2時間前の4時半には、すでに「体内時計」は覚醒の準備ができています。
睡眠ホルモンであるメラトニン4時半ごろには消えているので、いつ目覚めてもおかしくありません。
それを、明け方によく眠れないと訴える人がいますが、それは的外れでしょう。
 
うつ病強迫性障害などで相談に来られた人たちに対して、朝に30分間セロトニン活性の生活を行うよう、指導しています。
朝の諸々の準備とは別に、自分のセロトニンを「集中」して「しっかり」分泌させる時間を30分確保してもらいます。
具体的には、出勤前の早朝に30分ウォーキングをするように、起床時間を早めてもらう。
それがダメなら、早めに出社して、仕事を開始する前、30分のウォーキングを近隣の公園などで行ってもらいます。
どうしてもダメなら、通勤途中に一駅分あるいは遠回りして30分のウォーキングをやってもらいます。
セロトニン活性に大切なポイントは、「集中」と「しっかり」なので、人通りの激しい道や集中できない場所はNGです。
おすすめは自然のある人通りの少ない道。
セロトニン活性がちゃんと発生すれば、頭が目覚め、心が目覚め(ネガティブな気分が解消)、身体が目覚めた(交感神経が優位になり、血圧が上がり、代謝が活発になる)状態を味わうことができるはずです。
1日がスムーズにスタートできます。
 
リズム運動としては、ウォーキング以外に、ジョギング、サイクリング、縄跳び、ラジオ体操、太極拳、などがセロトニン活性になります。
これらの運動を朝の日差しを浴びながら行えば、二重のセロトニン活性になります。
 
外で運動ができない場合には、室内でのスクワット、エアロバイク、体操などでも、それなりの効果が期待できます。
その場合には、カーテンを開けて、日差しのある場所でやるのがよい。
運動ができない場合には、外に出て太陽を浴びるだけでも、ある程度セロトニン活性が得られます。
 
呼吸のリズム運動としては、早朝の読経や坐禅などがセロトニン分泌を促進させます。
いわゆるお坊さんの生活に相当しますが、間違いなく気持ちよい朝を迎えられます。
企業のトップの人で、朝にお経を唱える人が少なからずいます。
女性では朝ヨガを日課にしている人がいます。
 
咀嚼のリズムとしては、朝食を「しっかり」噛んで取ること。
コーヒーと栄養ドリンクだけの朝食の場合には、通勤途中でガムを「しっかり」噛むことが次善の策です。
 
朝食をしっかりとれる人は、その中身にも配慮したい。
セロトニン合成は必須アミノ酸トリプトファンを材料に、炭水化物とビタミンB6を使って行なわれます。
トリプトファンを豊富に含んだ食材は、大豆製品(納豆・豆腐・豆乳など)、乳製品(バター・チーズ・牛乳・ヨーグルトなど)、ケール、卵、ナッツなどです。
炭水化物としてはごはんやパン。
これら3つの栄養素をバランスよく含んでいるのがバナナ。
したがって、バナナヨーグルトやバナナ豆乳は手軽に作れる朝食としておすすめです。
 
なお、朝は苦手といって8時や9時まで床に入っていれば、それは「体内時計」と明暗周期のギャップを増大させるだけで、時差ボケの不調を増大させる行為です。
この状態において「体内時計」はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を発信させているので、ストレス状態を床の中でわざわざ作っているようなものでする
体調不良だから寝ているのではなく、床に入ったままでいるから体調が悪くなる、と考えるべきです。
起床して、太陽を浴び、身体を動かしてセロトニン分泌が起これば、時差ボケ症状は改善するはずです。
それが「自然」のしくみ。
もちろん、うつ症状以外に特定の疾患を患っていないという場合にいえることではありますが……。
なお、朝起きられない理由には、薬の副作用の場合があるので、注意が必要です。
「自律神経をリセットする太陽の浴び方 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
 
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
 現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ビタミンB12の働き
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