2021-01-01から1年間の記事一覧

◆食事に関する指針づくりの難しさ

◆食事に関する指針づくりの難しさ 意外に思われるかもしれませんが、ある栄養素、例えば、糖をどのくらい過剰にとったら体によくないのか、白黒つけるのはとても難しいことです。 患者を二群に分けた長期にわたる無作為化試験を実施すること自体、困難ですし…

◆黒砂糖は白砂糖より体にいいのか

◆黒砂糖は白砂糖より体にいいのか 白砂糖と黒砂糖。 同じ砂糖でも、この二つの砂糖ほどイメージが対極化しているものはありません。 一般的に流布しているイメージは、こうです。 「生成された白砂糖は、とにかく体に悪い。諸悪の根源」。 かたや、「黒砂糖…

◆フルーツジュースの甘くない現実

◆フルーツジュースの甘くない現実 果物には、ビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれ、これまでの疫学研究により、果物を定期的に食べる人では、心血管病、大腸がん、うつ病などのリスクが低くなることが報告されています。 また、83万人を対象にした研究…

◆特定の栄養素だけ制限するのは危険!

◆特定の栄養素だけ制限するのは危険! カロリー制限を行わない限り、ある栄養素を制限したダイエットは、他の栄養素の過剰摂取を招きます。 そのような変化に乏しい偏った食事が長期的に人にどのような影響を及ぼすか、誰も答えを持っていません。 なにせ、…

◆糖質制限ダイエットのからくり

◆糖質制限ダイエットのからくり 糖質制限について考えてみましょう。 私たちは食事をとり血糖値が上がると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。 インスリンにより、ブドウ糖は細胞の中に取り込まれ、エネルギー源として利用されます。 また、…

身の回りのあやしい健康情報に要注意!

身の回りのあやしい健康情報に要注意! 何をどのように食べるか。 この問題に関して、私たち人類には適応と進化の営々たる歴史があります。 その積み重ねの中で、人間の体に最も安全で適した、そしてより命を紡ぎやすい食事パターンを築き上げてきました。 …

◆体内時計のくるいが病気の引き金になる

◆体内時計のくるいが病気の引き金になる 人類の歴史を1年に例えれば、ほんの数分程度に過ぎない間に環境はガラリと一変してしまいました。 夜も電気という人工の明かりの中で活動を続ける現代人の体内時計は、今、蝕まれています。 体内時計のくるいは、現代…

サーカディアンリズム(太陽のリズム)に合わせた生活をする

サーカディアンリズム(太陽のリズム)に合わせた生活をする ◆体温やホルモン分泌は太陽のリズムに同期している 歴史の中で人類が獲得してきた体の仕組みのひとつに、体内時計があります。 簡単にいえば、お日さまが昇るとともに起き、お日さまが沈むとともに…

「睡眠負債」やストレスをためない

「睡眠負債」やストレスをためない ◆睡眠不足は糖化を進める 睡眠とAGEは関係があるのでしょうか。 一見、関係なさそうに見えるかもしれませんが、じつは大ありなのです。 人間は睡眠不足が続くと、意識・無意識に関わらず精神的にも肉体的にもストレスが…

◆週1回の運動で死亡率が3割下がる

◆週1回の運動で死亡率が3割下がる ウェルエイジングを目指す生活習慣づくりには、適度な運動も欠かせません。 ただ、この「適度な」というところが難しいというか、厄介なところ。 やたら激しい運動で体を痛めつけてもいけないし、かといって近所を散歩する…

体を動かす

体を動かす ◆「ちょこまか運動」のすすめ AGE体にため込まないようにするにはどうしたらいいでしょうか。 食事のほかにもできることはあります。 体を動かすことでエネルギーを消費しましょう。 結果、食後の血糖スパイクと肥満を予防してAGE抑えるこ…

◆その他の栄養素――ポリフェノールをとる

◆その他の栄養素――ポリフェノールをとる 海藻、ネバネバ系、野菜は多くとるようにし、飲み物は水かお茶かコーヒーにして、添加果糖が入っているジュース、甘味飲料などは避けてください。 日本人の場合、1日に口にするポリフェノールのかなりの部分をコーヒ…

◆栄養素は量より質を重視する

◆栄養素は量より質を重視する いまの時代、「早い」「おいしい」「便利」は食の基本。 いくらAGEがたまると健康を害する恐れがあるからといって、なかなかスローフードには戻せません。 近年はそうした限界性も意識してか、「万民に向く食事はない」との…

◆ベストな脂質のとり方

◆ベストな脂質のとり方 【摂取比率】 糖質とタンパク質の残りが脂質となりますから、脂質の摂取比率は25~35%くらいとなります。 日本人の伝統食から考えると少し多めですが、飽和脂肪酸の摂取比率を7%未満とし、その分、魚油やオリーブ油などからとるように…

◆ベストなタンパク質のとり方

◆ベストなタンパク質のとり方 【摂取比率】 「セルメタポリズム」という医学雑誌に掲載された論文では、50~65歳までの人の場合、タンパク質の摂取比率が高まると(総摂取カロリーの20%以上)、がんを含めた死亡のリスクが上昇することが報告されています。 そ…

◆ベストな糖質のとり方

◆ベストな糖質のとり方 【摂取比率】 1万5000人以上を25年にわたって調査したアメリカの研究によると、糖質の摂取割合と死亡率の間にはU字型の相関があり、全摂取カロリーの50~55%を糖質からとっているグループの死亡率が最低となることが示されています。…

「三大栄養素の摂取比率と質」でAGE抑える

「三大栄養素の摂取比率と質」でAGE抑える ◆糖質・タンパク質・脂質の理想的なとり方 何を、どう食べるかを考えるときに、どうしても気になるのがタンパク質、糖質、脂質の三大栄養素のとり方です。 特に、その比率と質でしょう。 三大栄養素は、性質や役…

◆揚げるより焼く、焼くよりゆでる

◆揚げるより焼く、焼くよりゆでる 一般的に、肉製品や脂肪に富む食材を高温で揚げたり焼いたりした際に、AGEが多く生成されることが知られています。 一方、水分を多く使って長い時間をかけ、ゆっくりと蒸したり、ゆでたりする調理法はAGE生成させにく…

◆調理には水を使う

◆調理には水を使う 和食の主な調理法は「煮る」「蒸す」「ゆでる」です。 いずれも水を使って調理するのが大きな特徴です。 油ではなく、「水で調理する」ことが、AGE対策にはとても大切です。 その理由は三つ挙げられます。 一つ目は、水の沸点は基本的…

「調理方法」でAGEを抑える

「調理方法」でAGEを抑える ◆「スローフード」がAGEためないコツ スローフードは、ファストフードの心身や食文化への悪影響を懸念して提唱された社会運動であり、伝統的な食文化と食材を守ろうとするものです。 スローフードでは、「食材をゆっくり育…

海藻、まいたけ、ネバネバ食品

海藻、まいたけ、ネバネバ食品 ヒジキやワカメなどの海藻類、きのこ類、オクラ、納豆、モロヘイヤなど、俗にネバネバ食品とも呼ばれる食品にも食物繊維が多いことから、AGE対策には有効といえるでしょう。 実際に、まいたけにはαグルカン、βグルカンやキ…

野菜――ブロッコリースーパースプラウトが最適

野菜――ブロッコリースーパースプラウトが最適 野菜に豊富に含まれる食物繊維は、腸管でブドウ糖やコレステロールの吸収を穏やかにし、食後血糖値の上昇を抑えてくれます。 また、食物繊維を多くとることで、糖尿病の発症や心臓病死のリスクが抑えられること…

「効果的な食材」でAGEを抑える

「効果的な食材」でAGEを抑える ◆「ホールフード(丸ごと食べる)」を心掛ける ある食材の効果は、決して一つの成分だけで語ることはできません。 例えば、レモンの作用がすべてビタミンCで語られるわけでもないし、トマトの効果が全てリコピンで説明でき…

◆健康寿命を延ばすには、カロリー制限よりAGE制限が重要か?

◆健康寿命を延ばすには、カロリー制限よりAGE制限が重要か? ダイエットを考えるとき、真っ先に頭に浮かぶのがカロリー制限でしょう。 昔から健康には腹八分目という“節食”が大切とされてきました。 そして、この場合、節食とは一般的にカロリーを減らす…

◆朝しっかり食べる。夜8時以降は食べない

◆朝しっかり食べる。夜8時以降は食べない 人間には、もともと朝型と夜型があり、それはいくつかの遺伝子のオン・オフの組み合わせによって決められているようです。 夜勤などを伴うシフトワークが、日本に限らず世界共通の社会問題となり、健康上の脅威にな…

◆早食い、大食いをしない

◆早食い、大食いをしない 大食いは、カロリーとAGEの摂取過多を生み、肥満を招くことからよくないことは明らかです。 また、早食いもよくありません。 早食いをすると、糖が腸から急速に吸収されるため、血糖値が急上昇します。 これは食後の血糖スパイク…

AGEは食事の工夫で減らせる

AGEは食事の工夫で減らせる ◆おいしいものにはAGEがいっぱい!? AGEは調理や加工された食品に多く含まれます。 肉や魚の焦げ目、ホットケーキやお好み焼きのきつね色……。 これらはどれも「メイラード反応」といって、食品中の糖とタンパク質に熱が加…

◆AGEの蓄積を減らせば、老化を防げる!

◆AGEの蓄積を減らせば、老化を防げる! AGEの蓄積が、老化・寿命の決定因子になることを示唆する別のエビデンスもあります。 それは「高血糖は記憶される」ことを証明した大規模臨床研究の結果です。 この研究では、糖尿病患者をAとBの2グループに無…

AGEは臓器にたまり、機能障害を引き起こす

AGEは臓器にたまり、機能障害を引き起こす ◆しわやシミ、動脈硬化に白内障……AGEの恐るべき影響 私たちの体の約60%は水分ですが、次に多い成分は体の屋台骨をつくっているタンパク質です。 つまり、AGEは体内のあらゆる細胞、臓器で例外なくつくられ…

「糖化」によってつくられるAGEとは

「糖化」によってつくられるAGEとは ◆体外から取り込むAGE・体内でつくられるAGE AGEは具体的に私たち人間の老化や寿命にどのように関わっているのでしょうか。 まずは、AGEの要点を紹介しておきましょう。 AGEは、タンパク質+糖+加熱と…